ちょっと前にテレビで『魔女の宅急便』をやっていたのを久しぶりに見て、サントラがいいなと思ってCDを探してみたら、こんなCDがあったので聞いてみました。
ピアニカ前田については以前にピラニアンズのCDを聞いたことがあります。ピラニアンズのギターは塚本功で、塚本功は小島麻由美のCDでもギターを弾いていたりします。ピアニカ前田と小島麻由美は同じ事務所に所属しているようです。
ジプリ作品のサントラと言うと、久石譲の音楽が思い浮かびます。このCDに収録されている曲のほとんどは久石譲の作品です。(『風の谷のナウシカ』は細野晴臣、『テルーの唄』は谷山浩子)このCDはピアニカ前田と村上由紀のピアニカ、宮田誠のギターとパーカッションと言う、わずかな楽器でジプリ作品の世界、久石譲の世界を再現しています。ギターとパーカッションは多重録音している部分はありますが、これだけの編成なのに非常に広がりのある音になっています。久石譲の曲よさもありますが、ピアニカ前田のアレンジと演奏力の高さによるところが大きいと思います。原っぱから青空を見上げたようなジャケットのイラストも素敵です。
『もののけ姫』と『魔女の宅急便』の曲が特に完成度が高いと思います。『魔女の宅急便』の『旅立ち』はボサノバ風のギターがいい味出しています。ピアニカ前田と宮田誠はBOSSA PIANIKITAというユニットもやっているそうです。
私がこのCDで一番好きなのは『魔女の宅急便』の『海の見える街』です。甘く、切ないメロディーラインが素晴らしく、ピアニカの音色もぴったりとはまっています。
この様な企画のCDとしては『ウクレレ ウルトラマン』や『ウクレレ栗コーダー』を思い出します。アコーステックで素朴な感じの楽器がメインを張って、独特の解釈、アレンジでカバーをやるのは愉快で楽しいですね。
このCDではナウシカからポニョまでは入っていいますが、ラピュタや紅の豚、ハウルの曲は入っていません。「大人の事情」なのかそれとも、ピアニカで弾くことを考えたらこうなったのかは分かりません。ふと考えると「ジプリ作品=宮崎駿」あるいは「ジプリ作品=久石譲」と考えがちですが、ジプリ作品には高畑勲の『火垂の墓』や『ホーホケキョとなりの山田くん』という作品もあります。
ブックレットにピアニカはヤマハの登録商標ですとに書いてあるのが何とも言えない可笑しさがあります。NHKでは「鍵盤ハーモニカ」と言わなくてはならないようです。
ピアニカで聴くスタジオジブリ作品集