ぶら~りネット探訪

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霞っ子クラブの『あなたが猟奇殺人犯を裁く日』を読んだ

またまた裁判傍聴に関する本を読んでみました。 今回読んでみたのは、女子裁判傍聴ユニット、霞っ子クラブの『あなたが猟奇殺人犯を裁く日』という本。霞っ子クラブは女子の裁判傍聴集団で、以前は4人で現在は2人だそうです。阿曽山大噴火の「さすらいの裁判傍聴人」あるいは「インディーズ司法記者」という枕詞に対して霞っ子クラブは「女子裁判傍聴ユニット」ですか。 この本は霞っ子クラブが殺人事件などの裁判員制度が適用されるような事件の裁判の傍聴し、裁判員になったつもりで判決や量刑を考えてみるという内容になっています。 裁判員制度が適用されるような裁判が選ばれているため、全ての事件が殺人事件で、タイトルにもあるように猟奇事件や凄惨な事件ばかりで、阿曽山大噴火のちょっと間抜けで笑える傍聴記とは全く方向性の違う傍聴記になっています。裁判の中で語られる殺人の詳細や死体損壊や死体遺棄の詳細が凄まじさに、裁判員制度がどうのというのはどうでもよくなってくるような傍聴記のような気がします。 取り上げられている裁判はどれも有名な事件ばかりです。渋谷の歯科医宅の妹を殺害しバラバラにした事件、セレブ妻による夫の殺害、死体遺棄した事件、江東区のバラバラ殺人などなど、まだ記憶に新しい事件ばかりです。 さすがに重い内容の傍聴記ばかりでは、読者も疲れてしまうのではないかという配慮か、「毒人参。の道草コラム」が殺事件の傍聴記の間にいいタイミングで挟まっていて、いい感じの息抜きになっています。自分の絵に火をつけて自殺しようとした男の話は、「現住建造物等放火」という罪名の重さに比べて被告人の「お花畑的」というか「電波的」な発言が笑えます。 監禁王子こと石島泰剛の裁判の傍聴記もなかなか面白いですね。実は私は最近、控訴審の1回目の裁判を見ることができました。この時も傍聴券が配られましたが、無抽選で傍聴することができました。さすがに暑くなっていたので髪の毛は切っていました。『私は貝になりたい』の中居くんみたいな感じでした。衣装は白いスーツでした。この時の監禁王子は裁判官の人定質問に答えただけでした。 以前、このブログでもネタにした携帯にエロ画像が入っていたのを妻に見られたことが原因で妻を絞殺した夫の裁判も紹介されていました。傍聴記を読むと、殺された妻は境界性人格障害で、妻は普段から会話が少ないとか、夫からのメールが少ないとか、メールの中にハートが少ないといったことで突然暴れたりすることがあったそうです。またこの妻は以前にヤクザとの付き合いがあったり、背中に彫り物があったりしたそうです。夫が妻を絞殺する原因はエロ画像というより、夫の元カノの勤務先を探しあて、ヤクザに元カノ輪姦させるといった脅迫を行ったことが原因のようです。この夫は一人で全てを抱え込みすぎていた感じが強いのですが、同情できるような気がしないでもありません。実際の判決は懲役10年だったそうです。 私は実際に裁判傍聴したりしてきました。殺人事件の裁判も数件見たことがあります。裁判員制度もこの本を読むまではけっこう軽く考えていました。裁判員に選ばれてみたいとも考えていたりしました。こういった猟奇的な事件の裁判に裁判員として参加するのはかなり大変だと思うようになりました。「裁判は傍聴するのに限る。」といったところでしょうか。 あなたが猟奇殺人犯を裁く日 (扶桑社新書)
あなたが猟奇殺人犯を裁く日 (扶桑社新書)