ぶら~りネット探訪

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「ウォッチメン」を見た

映画「ウォッチメン」を見ました。「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」で原作のグラフィックノベル(アメコミ)の特集を聞いていたので、かなり期待していました。

「面白いか、面白くないか」と言えば「面白い」映画だと思います。「もう一回劇場で見たいか?」と言えば、それはちょっと嫌だ。上映時間が163分というのがいけません。「ダークナイト」は152分でしたが、もっと見やすい感じがしました。

話としては、スーパーヒーローが実在し、ニクソン大統領がウォーターゲート事件で失脚せず、その後も再選された1985年が舞台になっています。パラレルワールドというやつです。冷戦状態が続く中、ソ連によるアフガン侵攻が行われ、緊張が高まる中、アメリカ政府の諜報員として活動していたスーパーヒーローの”コメディアン”が何者かに殺害され、その死に疑問を感じたスーパーヒーロー仲間の”ロールシャッハ”が独自に捜査を開始する、そんな感じです。

前半の”ロールシャッハ”の捜査の部分が非常に長く感じられ、この辺をもう少しテンポよくまとめて欲しかったですね。1985年が舞台となっているせいなのか、ネーナの「ロックバルーンは99」やティアーズ・フォー・フィアーズの「ルール・ザ・ワールド」がかかっていたのが懐かしく感じました。クライマックスの直前でジミヘンの「見張塔からずっと」がかかったのも良かったですね。

この映画の裏テーマは「スーパーヒーローはつらいよ」あるいは「スーパーヒーローだって人間だ、性欲だってあるし、金も欲しい」といったことのように私は感じました。”ナイトオウル”のダニエルがローリーを抱こうとしたときに、チンポが役にたたなかったり、時間も空間も超越した神のような存在の”DR.マンハッタン”も年を取っていくパートナーの女を捨て若いロリーに乗り換えたりするのは笑えました。”コメディアン”と”DR.マンハッタン”がベトナム戦争で戦い勝利に導くというの凄い話もありました。スーパーヒーローが権力の手先となって戦うというのは凄い発想ですな。日本ならウルトラマンテポドンを撃ち落としたり、仮面ライダー拉致被害者を連れ戻してくれるといったところでしょうか。(「ランボー2」はベトナム戦争の捕虜を救出にいく話でしたね)

ワーナー、DCコミックのアメコミの実写版の映画は「ダークナイト」といい、この「ウォッチメン」といい、非常に暗く、救いのない話で、スーパーヒーローモノのカタルシスはほとんどありません。最後に核戦争は回避されるのですが、その回避の方法が全くスーパーヒーローモノ、あるいはご都合主義的なハッピーエンドとはとても思えないものになっていました。