吾妻ひでおの「うつうつひでお日記」を読んでみました。
私はてっきり「失踪日記」で漫画賞をいくつも取った後の日記かと思って読んだのですが、「失踪日記」以前の日記でした。それでもとても楽しめました。
表紙に書いてあるとおりで、食事、読書などについての日常が細かく淡々と描かれています。「笑っていいとも!」はほぼ毎日見ているようで「サンデージャポン」は音声だけ聞いて仕事をしてるようです。K-1やPRIDEもよく見てます。あとがきで「失踪日記」が売れ始めころが描かれていて、奥さんにマグロの刺身を食わせてくれと頼むところが笑えます。
鬱病で通院し抗うつ剤を日常的に飲んでいたり、連載していた雑誌がなくなるといったハードでへヴィーな内容も描かれているのですが「失踪日記」と同じように読んでいても不思議と暗い気持ちにはなりません。途中で吾妻ひでおへの編集者によるインタビューが挟まっていて、最後のインタビューでは当時の苦しい経済状況が活字で語られていて、さすがに活字になるとかなり大変な状況が伝わってきます。
日記とは何の脈絡も関係もなく例の女の子の絵が挿入されています。有名人や他の漫画やアニメのキャラクターもたまに描かれたりしていますが、これが驚くほど似てません。パフィーとジャアイアント馬場は説明がないとわかりませんでした。小倉優子も好きだったということで、小倉優子の絵も描かれているのですがこれも似てませんでした。市民ホールに無料のコンサートを見に行ったときの絵で後ろの席に綾波レイが座っているのは分かりました。
音楽はクレイジーケンバンド、大西ユカリみたいな昭和歌謡ぽいものやパフィー、そしてジャックスや早川義夫などを聞いているようです。ジャックスの「からっぽの世界」を フォーククルセダーズ がカバーしたものを聞いたりするシーンがありました。中島らもの死に関して言及してる部分にはグッとくるものがあります。
うつうつひでお日記 (単行本コミックス)