ぶら~りネット探訪

音楽、競馬、映画などについて非常にテキトーにダラダラと綴っていくブログでございますですよ。

「快楽亭ブラックの放送禁止落語大全」を読んだ

快楽亭ブラックの放送禁止落語大全」を読んでみました。 快楽亭ブラックと言っても漫画の「美味しんぼ」に出てくる方ではありません。立川流を除名になった方の2代目快楽亭ブラックの方です。放送禁止落語大全と言う本を出すくらいなのでほとんどテレビやラジオにはほとんど登場しない落語家です。むかし、むかし「お笑いスター誕生」に立川レーガンという名前で出ていた記憶があります。 全部で8席の創作落語が収録されていて、その他に「借金2000万除名顛末記」と「ブラック落語、韓国へ行く」というノンフィクションが収録されています。そして付録としてCDが付いていて、CDには2席の落語が入っています。放送禁止落語というくらいなので下ネタはもちろん、皇室ネタ、宗教ネタなど放送にはのせられない噺が盛りだくさんなのですが、ベースが古典落語なので噺のスジ自体には王道と言う感じがします。 「文七ぶっとい」はもちろん「文七元結」が元ネタで文七の店が鼈甲問屋ではなく大人のおもちゃ屋というところ以外はほとんど「文七元結」と変わらなかったりします。「川柳の芝浜」もほとんど「芝浜」なのですが主人公が実在の落語家の川柳川柳(かわやなぎ・せんりゅう)で舞台が現代になっています。オチはオリジナルとは違っています。 「英国密航」は2000年の芸術祭優秀賞受賞した落語で伊藤博文(俊輔)ら長州五傑が幕末にイギリスへ密航する話で、これは芸術祭優秀賞受賞した落語だけであって下ネタなどはほとんどありません。最後にこの話が映画化されていると言って終わっています。まさかと思って調べてみたら2006年に松田龍平主演で「「長州ファイブ -CHOSYU Five-」という映画が公開されてました。もちろんブラックの噺は原作ではありませんが。 私がこの本で一番面白かったのはフィクションである落語ではなく、ノンフィクションの「借金2000万除名顛末記」です。ここでは放送禁止落語ばかりやっていたために仕事が減り、競馬が止められず、借金ばかりが増え、しまいには立川流を除名され、奥さんにも離婚されてしまう様子が詳細に書かれています。久しぶりに破滅型芸人を見た気がします。破滅型芸人が自分自身で自分の破滅していく様子を書いたものというのも珍しいですね。とは言っても快楽亭ブラックはまだ破滅したわけではなく生きています。「あとがき」では立川流の除名騒動と急性大動脈乖離で入院したことがマスコミで騒がれたために快楽亭ブラックを応援しょうとする人もあらわれたことも書かれています。 快楽亭ブラックの放送禁止落語大全
快楽亭ブラックの放送禁止落語大全