「吉田豪のセメント!!スーパースター列伝」を読んでみました。この本は吉田豪によるプロレス、格闘技関係者へのインタビューをまとめたもので、梶原一騎の「プロレススーパースター列伝」のパロディーというかオマージュのようなものになっいます。(内容的には一見正反対の内容になっていますが吉田豪のプロレスへの思いは感じられます)インタビューの後日談を吉田豪が語っている「豪トン談」の吉田豪のイラストまで「プロレススーパースター列伝」をなぞっているのがまたいいですね。
元新日本プロレスのミスター高橋による暴露本「『流血の魔術 最強の演技 ~すべてのプロレスはショーである~」の影響も強く感じさせる内容にもなっていて、吉田豪がミスター高橋の暴露本についてプロレス関係者にストレートに聞く場面がいくつもあり、インタビューとしては「セメント」あるいは「ガチンコ」を感じさせてくれます。元日本テレビのアナウンサー倉持隆夫さんの話はミスター高橋の本よりも私は衝撃を感じました。あまりにも、あっけらかんと当時の真相を話していて、それが暴露と言う形には感じられない不思議なインタビューになっています。
別の意味でいいインタビューになっているのがストロング小林のインタビューです。インタビュー本文の前にある煽りでは「カミングアウト問題にも言及!」と書いてあったので、ストロング小林が槇原敬之や水野晴郎先生の側の人間であるとカミングアウトするのかと期待したのですが、やはりプロレスの八百長問題に対する言及で少しがっかりしました。しかし、「豪トン談」では話し方がキュートで全ての発言に「(かわらしく)」をつけたくなると語っていたのには笑えました。
のこの本でのもう一つの目玉は田代まさしのインタビューが収録されている点です。不祥事の後にVシネマの監督時代に行われたものだそうです。フジテレビの「SWS」の製作スタッフの暴露話が非常に生々しく、ある意味恨み節的になっているのがいいですね。田代まさしは現在どうしているんでしょうか? 藤原紀香の披露宴には呼ばれなかったのでしょうか?
吉田豪のセメント!!スーパースター列伝 (kamipro book’s)