吾妻ひでおの「逃亡日記」を読んでみました。
本屋の漫画コーナーにあってビニールがかかっていたので気が付かなかったのですが、この本は漫画ではなく、吾妻ひでおのインタビューをまとめたものです。インタビューの内容も失踪時代、アル中時代、生い立ちとデビューとほぼ「失踪日記」とかぶってます。漫画「受賞する私」にも「失踪日記」の便乗本と書かれていて、「漫画だけ立ち読みしてください」と吾妻ひでお本人が書いていますが、ビニ本だったので立ち読みできませんでした。
「失踪日記」の便乗本とは言っても漫画で本人が描くのとインタビューで喋るのではそれなりの違いが出ています。漫画の方は絵にならない事や絵にならない事は割愛されているので、インタビューはそういった部分を補っていると思います。「失踪日記」と「逃亡日記」の両方を読むと立体的に失踪、アル中そして吾妻ひでおという人物が分かってくるようになっています。
私は「失踪日記」が話題になり、多くの書評が書かれ賞を取ったときの話が漫画やインタビューで語られているところが一番面白く感じました。やなせたかし、荒俣宏のエピソードは漫画とインタビューで重複した語られているのが恨みがましくていいですね。「失踪日記」は話題になって売れたといっても20数万部で「歴史には残るかもしれないが金はない」と言ってしまうところもいいですね。
吾妻ひでお本人が失踪したときに行った入間、東伏見、石神井公園、小金井公園を再び訪ねた写真が載っていたり、メイド服のモデル(ゴールデン小雪)と吾妻ひでおが二人で写っている写真も載っています。
逃亡日記