「殴る騎手―JRAジョッキーたちの裏舞台」を読んだ

森田駿輔の「殴る騎手―JRAジョッキーたちの裏舞台」を読んでみました。 この本は2002年に東邦出版から出版され、2006年10月に双葉文庫で文庫になっています。私は文庫版の方を読みました。 森田駿輔という人はJRA、栗東トレーニングセンターのどこかの厩舎で厩務員(競走馬の世話をする人)をやっている人だそうで、競馬の世界の内側から騎手の世界を中心に競馬を見た本となっています。 「殴る騎手」というタイトルから最近では、去年、栗東市内の飲食店で飲食店の従業員に対し暴力行為を働いて現在、騎乗停止中の藤田伸二騎手がすぐに思い浮かびますが、やはりこの本では冒頭のエピソードを藤田伸二騎手が飾っています。この本は内容が内容なのでかなりの部分がイニシャルとなっているのですが、おそらく藤田伸二騎手のエピソードがかなり出てきます。著者が栗東所属ということもあって関西の話が中心になっているので、イニシャルになる私にはとさっぱり分からない部分がけっこうあります。 「殴る騎手」というタイトルなので、騎手のレースでの荒っぽい武勇伝が中心なのですが、自分が乗っている馬の馬券を買っていた騎手の話や営業が上手いとされる騎手の話などもあったりします。営業の上手い関東のNは中舘英二ですよね。強豪GⅠホースで3度降ろされそうになって、話術で乗り切ったというのは笑えます。中舘英二はなにげに去年の全国リーディングで7位です！しかし、賞金順になると10位で、トップ10の騎手のなかで重賞未勝利というのがまた凄いですね。 この著者はこの本の中でたびたび競馬は競技スポーツではなく戦い、あるいは格闘技だと主張し、またそうあって欲しいと願っています。私もこの著者の考えにおおいに同意できます。しかし、ディープインパクトのレース等を見ているとなんだか熱い戦いはあまりなかったようなきがします。 殴る騎手―JRAジョッキーたちの裏舞台