ぶら~りネット探訪

音楽、競馬、映画などについて非常にテキトーにダラダラと綴っていくブログでございますですよ。

「いま、胎動する落語―苦悩する落語2」を読んだ

春風亭小朝の「いま、胎動する落語―苦悩する落語2」を読んでみました。 前作の「苦悩する落語」も読んでいたので、「いま、胎動する落語」も読んでみました。前作から6年経っているわけですが、この6年間に落語界の動きはけっこう目まぐるしく、四代目桂三木助の自殺、古今亭志ん朝柳家小さんの死について前半は語られています。こぶ平正蔵襲名の話から六人の会の成功、そしてこれからの落語界の展望で締めくくられています。 前作もそうでしたが、ただ落語を喋るだけでなく落語界から次々にアクションを起こして話題を提供していこうという姿勢は素晴らしいと思うのですが、小朝はやたら襲名にこだわりすぎているような気がします。こぶ平正蔵襲名、柳家三語楼が六代目小さんを襲名ときて、林家木久蔵ときくおのダブル襲名を仕掛けたのもこの本を読むと小朝であることがわかりました。しかし、この本での小朝のこぶ平の持ち上げぶりはこぶ平が義弟であること考えてもかなり大袈裟すぎる気がします。それとモノの例えにクラシック音楽や絵画の話が出てくるのですが、その話が分かり易く伝えようとするあまりに、あまりにも陳腐な例え話になっているのが悲しいような笑えるような気がしました。 この本を読んでいると最近盛り返しつつある落語人気は小朝をはじめとする六人の会やその他の落語家の努力の結果のように書かれているのが正直、ちょっと腑に落ちません。「タイガー&ドラゴン」については一言も触れていません。おそらく落語を聞いた事がない人にとってはこぶ平正蔵襲名や小朝の武道館口演よりも「タイガー&ドラゴン」の方がインパクトは強かったと思います。「タイガー&ドラゴン」はある意味落語界にとっては神風みたいなものだったと思います。この本の終盤ではこれからの新作落語の大切さを語っているのですがそれならば「タイガー&ドラゴン」やこのドラマの脚本の宮藤官九郎についての分析もしてもらいたかった気がします。 いま、胎動する落語―苦悩する落語〈2〉
いま、胎動する落語―苦悩する落語〈2〉