ぶら~りネット探訪

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中谷美紀の「ないものねだり」を読んだ

中谷美紀のエッセイ集、「ないものねだり」を読んでみました。 吉田豪が雑誌「ダ・ビンチ」の今年のナンバーワンに選んでいたり(石原真理子の暴露本が出る前の話)、TBSラジオの「ストリーム」の「コラムの花道」で取り上げられていたので読んでみたのですが、これが期待したほど面白い本ではありませんでした。「コラムの花道」での吉田豪の話の方が数倍面白く感じました。 この本を読み始めて最初に思ったのが文体の硬さです。中谷美紀は30歳くらいだと思うのですが、文末が「~である。」や「~だった。」のよう感じ、古めかしい硬い文体で読んでいて肩がこってきそうな感じがします。 エッセイのネタは旅、食べ物の話が多く、旅は東南アジア、食べ物は蕎麦、エコロジカルな無農薬野菜の料理など非常に優等生的と言うか、既に他でも使い古されているネタが多く、中谷美紀の独自の視点が感じられなかったり、話の転がし方が上手くないために、文体の硬さがプラスされるといっそう読むのが辛くなってきました。 芸能界の仕事の話、オカマの友人の話などもごくたまに出てくるのですが、うまく話が転がっていかないために、せっかくの素材の良さがまったく引き出されていない印象があります。カード偽造の被害にあった話やかつての友人の詐欺師の話は興味深いのですが、なんだか綺麗にまとめようとして失敗していますね。全体的に話のまとめ方がワイドショーのご意見番的なコメンティターのまとめ方が多い気もしまた。話の転がし方が上手くないと書きましたが、女優の書いたエッセイ、タレント本なので、ある程度、話が破綻していたり、強引でも、面白ければいいような気がします。 まぁ、タレント本というか「いまひとつな紀行文」、「型どおりのエコロジーの本」と思ってしまえば許せるような気もします。 ないものねだり
ないものねだり