ぶら~りネット探訪

音楽、競馬、映画などについて非常にテキトーにダラダラと綴っていくブログでございますですよ。

「上流な私? 下流な私? いまどきの女性のココロと生活」を読む

三浦展と(株)読売広告社の「上流な私? 下流な私? いまどきの女性のココロと生活」を読んでみました。三浦展という人は「下流社会――新たな階層集団の出現」を書いて、「下流」と言う言葉を流行らした人です。 この本は2005年5月に三浦展と(株)読売広告社が1都3県で行った意識調査をもとに書かれたもので、タイトルには「いまどきの女性のココロと生活」とありますが読んでいくと「ココロ」にはそれほど踏み込んでいない気がします。「いまどきの女性のココロと消費行動」というタイトルにした方がいいような気がします。これくらいの学歴で職業はこういう人は化粧品はこれを買い、雑誌はこれを読むというのが書いた本です。少しは「ココロ」の部分も気にしているようですが、「ココロ」にはそれほど踏み込まず、消費行動に的を絞っている感じがします。 ほとんどが意識調査の分析になっていて、退屈な部分も多いのですがたまにポロっと出てしまう三浦展の本音みたいなものが非常に面白いですね。趣味に関する意識調査の結果でクラッシックを聴く、演奏したりするというのが下流の方に多いことに「ちょっと意外だ」と言ってみたり、菊川玲について「菊川玲は東京大学工学部で、卒論はコンクリートの研究だ。でも、ああいうエロい人だ。」と言ってみたりしてます。三浦展が菊川玲を「エロい」と感じているところが私にとってはこの本で一番面白い部分だったかもしれない。この本は図書館で借りて読んだのですが、「菊川玲」のところにエンピツで「ツマラン女だ!」と書き込みがあり、さらに笑えました。 前半の意識調査の分析は数字が出てくる部分が多くて読みにくい印象があるためか、各チャプターのタイトルを刺激的なものにしている印象があります。「結婚できる女性は『見た目が9割り』か」、「下流女性は文化好きなオタク」、「未婚派遣女性は『自室でひとりでエンヤを聴く』」、「パラサイト・シングル女性は下着を洗わない」などななど。三浦展という人はどうも、オタク的なものやネット、掲示板、ブログみたいなものが嫌いなようで、そういったものは全て下流の趣味と言っています。意識調査の結果からという根拠もありますが、かなり意識的にサブカル的なものに悪意を感じます。逆に「ホームパーティは上流の証明」と書いていて「もう外車腕時計じゃ人と差をつけられない。どんなパーティするかがその人の階層を表すんです」という団塊ジュニアの世代の声を紹介してますが、「外車」や「腕時計」の代わりが「パーティ」と言うのは「成金趣味」そのものだと思うのですが・・・。 後半は女性を7種類のタイプに分けて詳しくその消費行動を説明しているのですが、これはありがちで面白くありません。所得、職業、消費行動で人を分類していくのはけっこう昔からあった気がします。マル金マルビが懐かしい渡辺和博 の「金魂巻」など。まぁ、格差社会の拡大にともない社会の階層の変動が激しい今日この頃ですが。 上流な私? 下流な私? いまどきの女性のココロと生活
上流な私? 下流な私? いまどきの女性のココロと生活