ぶら~りネット探訪

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「立喰師列伝」を見た

押井守の「立喰師列伝」を見てきました。途中で2回寝てしまいました。

大作の間の「息抜き」的な作品として低予算で作られていることは知っていましたが、変に力が入っている割にはスベッているように私には感じられました。

私は原作も読んでいるのですが、内容としては原作をほぼそのまま映像化した感じで、ナレーションと止め絵(よく見ると動いている絵もあるようです)がやたら多くて、映画として見るのには非常に眠たい作品だと思います。劇場では爆笑している人もいましたが、立喰師に負けた店の人間が「あしたのジョー」の最終回のように真っ白に燃え尽きてしまう絵や予知野家の「パパ、明日は3塁打だ」というのも「ディズニーランド」の「ディズニー」の部分にピー音が被さるのも、正直笑えませんでした。80年代のギャグのように感じました。まぁ、押井守の戦後史という側面もある作品なので、それもアリかと思いますが。爆笑はできませんでしたが、ハンバーガーの哲が「I'll be back! 」と言ってロッテリアを去るところで、ターミネーター風の音楽がかかっているところは面白かったと思います。

ロッテリアが実名で登場したのは正直驚きました。エンドクレジットにもロッテリアはしっかり入っていました。こんな時期だからこそ吉野家も協力すればよかったのでは。押井守の愛犬もしっかりエンドクレジットに出てましたね。力道山と戦うシャープ兄弟の写真が犬でしたね。

正直この作品は失敗だと思います。失敗の原因は原作のときから立喰師のゴトの部分がはっきりと分かりやすく描かれてないところだと私は思います。具体的にどのようにして「食い逃げ」するのかが描かれていのがこの作品の弱点で、それをカバーしようとして戦後史を持ち出したり、衒学的に民俗学を持ち出しているのだと思いますが、前半はその部分が多くなりすぎて眠たくなってしまいます。後半の牛丼やハンバーガーについては話が「食い逃げ」ではなくなっているために、逆にスッキリと感じられました。最後のカレーも「食い逃げ」については描かれていませんが「中辛のサブ」のキャラが面白すぎて「食い逃げ」についてはどうでもよくなってしまいました。

やはり、衒学的な部分が目立って気軽に見られる映画とは言い辛いですね、「立喰師列伝」は。もっといい意味で原作から離れて欲しかったですね。押井守は他人の原作(「うる星やつら」、「攻殻機動隊」)ものなら遠慮なくぶち壊して再構築しているのに、やはり原作・脚本・監督では逆に力が入りすぎてしまったような感じですね。

余談ですが店主の声は「新どっちの料理ショー」や「PRIDE」のナレーションでお馴染みの立木文彦というのは良かったですね。立木文彦押井守の作品によく出ていたので知っている人にとってはそれほど以外ではないのですが、「新どっちの料理ショー」と「立喰師列伝」という落差がいいですね。

「立喰師列伝-たちぐいし れつでん-」オリジナル・サウンドトラック
「立喰師列伝-たちぐいし れつでん-」オリジナル・サウンドトラック