ぶら~りネット探訪

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「虚人魁人康芳夫」を読んだ

康芳夫の自伝、「虚人魁人康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝」を読んでみました。2月に読んだ竹熊健太郎の「箆棒な人々」にも康芳夫は登場していて、非常に面白かったので、この自伝も読んでみました。 康芳夫は1937年、中国人の父と日本人の母の間に神田で生まれ、東大を出ると神彰の元で「呼び屋」の修行をし、ソニー・ロリンズ、ボリショリサーカス、モハメド・アリトム・ジョーンズなどの日本に呼んだり、ネッシー探検隊を組織しネス湖に行ったり、オリバー君を来日させたりした人物です。私はオリバー君のことは微かに覚えていますが、その他の康芳夫の仕事については「箆棒な人々」やこの本を読むまでは詳しくは知りませんでした。あとはテリー伊藤の師匠としてテレビでインタビューされているのを見たくらいですね。 ネッシー探検隊やオリバー君のイメージが強く、康芳夫というと「キワモノ」というイメージが強かったのですが、「呼び屋」としての最初の仕事がソニー・ロリンズ来日公演のプロデュースというのが以外でした。ボリショリサーカスやその他の海外のサーカスなども呼んでいたり、以外に普通の「呼び屋」もやっていたところも以外でした。モハメド・アリの来日を実現させたことが転換期となり、トム・ジョーンズの来日公演で普通の「呼び屋」としての仕事はピリオドとなり、ネッシー探検隊、オリバー君アントニオ猪木対アミン大統領、虎対空手家のような一般的には「キワモノ」のような企画を連発していくことになります。 人間はたいていある程度成功すると守りに入るものですが、康芳夫は全く逆でモハメド・アリトム・ジョーンズで成功しておきながら、その次の仕事がネッシー探検隊というところが素晴らしい!芸術家でありギャンブラーであり、それなのにそれほど金に執着していないところがまたいいですね。やはり単純に世間を驚かせたいと思っているだけなのではないかと思ってしまいます。でなければ、あんな「キワモノ」的な企画を次々に思いつたり、実現させようとはしないのではないでしょうか。 この本にも書かれていますが、80年代以降は電通をはじめとする広告代理店が組織的にイベントを仕切るようになり、イベントを打つ方は効率的でリスクの少ない体制が取れるようになっていますが、「キワモノ」的な企画がなくなってしまった気がします。最近はテレビのバラエティはリアクション芸人の「お約束」的なものばかりでつまらないし、ちょっと前は韓流が流行りましたが、あれは電通とテレビ局の仕掛けと言われていますね。東京ディズニーランドの存在も大きいですね。プロデューサー康芳夫電通東京ディズニーランドに殺されたと言ってもいいのではないでしょうか。 虚人魁人康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝
虚人魁人康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝