日馬富士の『全身全霊』を読んだ
第70代横綱、日馬富士公平の『全身全霊 第70代横綱、18年間のけじめ』を読んでみました。
2017年の貴ノ岩に対する暴行事件の責任をとって引退した日馬富士が生い立ちから現在までを語った本です。
貴ノ岩に対する暴行事件に関する部分は少なめです。ビール瓶でもカラオケのリモコンでも殴っていないと書かれています。事件の翌日には貴ノ岩と和解していたとも書かれています。
日馬富士の34年間の人生をまんべんなく振り返るという構成になっているため、浅く広くという感じで日馬富士の人生をダイジェストで見ているような内容です。相撲の取り組みについての描写が細かく書かれている所が印象的でした。
日馬富士は力士としては小柄な方だったので現役時代は常に怪我との戦いだったそうです。参考にしていた力士は千代の富士だったそうです。
日馬富士はそれほど出世に対する欲はなかったという話が意外でした。入門したころは幕内まで上がれればという意識だったそうです。親方、タニマチや周りの力士との関係の中で目標が変化していったようです。
私がよく相撲を見ていた頃は朝青龍、白鵬、ちょっと離れて安馬とい感じで見ていました。気がついたら横綱にまでなっていた感じですね。
日馬富士が横綱になって伸び悩んでいた稀勢の里に対して、「先代の親方の墓参りに行っておかみさんにも会うこと、徳を積むことが大事」とアドバイスを送っていたというエピソードが面白かったですね。
日馬富士はモンゴルに「新モンゴル日馬富士学園」という小学校から高校のまでの一貫校を今年9月に開校しています。学校を作る計画は現役時代から進めていたそうです。
去年の11月に発覚した日馬富士による貴ノ岩に対する暴行事件から日馬富士の引退までは想像できましたが、貴乃花親方の引退、貴乃花部屋の消滅、貴景勝の九州場所優勝、貴乃花、河野景子離婚という展開が凄すぎます。ことの発端は日馬富士なのに常に話題の中心は貴乃花のような気がするのは気のせいでしょうか?