ジャズ・ミュージシャンの菊地成孔のプロデュースによる『機動戦士ガンダム サンダーボルト2』のサントラを聞いてみました。
「桑原あいのピアノもいいし、吉田沙良の歌もいいいけど、サンダーボルトにはやっぱ串本節だ。」と思わずにいられません。日本語の歌ものも何曲か入って1枚目に比べとバラエティに富んだサントラになっていて、いい意味でとっ散らかった印象がありますが小田朋美の歌う『串本節』にはやられました。
串本節は和歌山県の民謡で江利チエミのバージョンを下敷きにしています。江利チエミの方も聞いてみましたがそ大きな違いはありませんでした。バックトラックはラテン・ミュージックのマンボ。日本の民謡とマンボが絶妙なグルーヴを生み出していて違和感は確かにあるけど、その違和感が実に気持ちいいという奇妙な逸品。小田朋美の「よいしょ、よいしょ」が実に心地いいですね。やはり小田朋美は夏の天才だ。
ちなみに坂本龍一は昔々、『NEO GEO』というアルバムでファンクに沖縄民謡や講談のサンプリングをのせるということをやっていました。ブーツィー・コリンズがベースを弾いていたりしました。
桑原あいがピアノをガンガン弾く『Groovy Due』、『氷上の敗走』の緊張感もたまりません。『氷上の敗走』はタイトルやトランペットのフレーズに哀愁があり寒い感じがします。
市川愛の『可愛いあたし』や吉田沙良の『戦争』は可愛いおとぎ話のサントラという感じです。『戦争』は深読み裏読みができそうな歌詞になっています。お姫様が塔に幽閉されているのはお姫様が最強の兵だからなのでしょうか?
坂本愛江の『恋は誰もない』とエイミー・ワインハウスの『Wake Up Alone』は音楽のロレックスなんでしょうか?
『色悪』では市川愛と吉田沙良と坂本愛江の3人で歌っています。この曲で歌われている男は入墨もしているし菊地成孔のことかと思いました。市川愛は『可愛いあたし』とは全く歌い方が違っていて初めて聞いたときは同じ人には思えませんでした。
『南洋同盟』の3曲も『串本』と同じくらいの衝撃を受けました。テクノ風のバックトラックにお経のような声がのっています。このお経は本物なんでしょうか?クレジットされている佐々木睦という人は俳優で声優もやっているようです。電子音楽と民族音楽?の組み合わせみたいなものなんでしょうか?ちょっとエニグマの『リターン・トゥ・イノセンス』を思い出しました。
ちなみにアニメの『機動戦士ガンダム サンダーボルト』はまだ見たことがありません。『串本節』や『南洋同盟』がどんなシーンでかかるのかは非常に興味があります。