ぶら~りネット探訪

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原田知世の『恋愛小説2 若葉のころ』を聞いた

最近はセルフカバー・アルバム『音楽と私』が話題の原田知世ですが、去年リリースされたカバー・アルバム『恋愛小説2 若葉のころ』を聞いてみました。

原田知世はやっぱり女優と『ブレンディ』のCMのイメージが強いかと思いますが歌手としの活動もけっこうやっているようです。鈴木慶一トーレ・ヨハンソンをプロデューサーに迎えてアルバムを作ったり、高橋幸宏高野寛高田漣とpupaというバンドもやっていたようです。私はデビュー当時の『時をかける少女』、『地下鉄のザジ』、ナイアガラのトリビュート・アルバムで『夢で逢えたら』を歌っていたくらいしか聞いたことがありませんでした。

『恋愛小説2 若葉のころ』はタイトルでも分かるように原田知世が若い時に聞いた曲から選曲されたような構成になっています。『木綿のハンカチーフ』、『異邦人』、『SWEET MEMORIES』、といった他のカバー・アルバム、トリビュート・アルバムでも何度もカバーされた手垢のついた名曲が選ばれていたので、「カラオケみたいなカバーだったらどうしょうか」と不安な気分になりました。しかし、実際に音を聞いてみたら全く原曲や今までのカバーとは違う角度からのアプローチばかり驚きました。

このアルバムの面白さは原田知世の歌唱力ももちろんですが、プロデューサーである伊藤ゴローの力量によるところが大きいのではないかと思います。ジャジーで小粋でそれでいて暖かみがあるアレンジが素晴らしいですね。伊藤ゴローという人はこのアルバムを聞くまで知りませんでした。ギタリストでもあってアントニオ・カルロス・ジョビンとも共演していたり、坂本龍一菊地成孔とも共演したことがあるようです。

木綿のハンカチーフ』は高級感が凄くて歌の中のヒロインは木綿のハンカチーフを持っていても絹のハンカチーフに見えそうな感じに聞こえました。

オリジナルの『夢先案内人』はあくまでも夢の中の出来事なのに対して原田知世の方は夢オチですよと言われても、「ホントに夢オチ?」という気分になりました。『インセプション』や『うる星やつら ビューティフル・ドリーマー』みたいな夢の入れ子構造の中にいるよう感じですかね。 

レイドバックしたような仕上がりの『秘密の花園』、『年下の男の子』も面白いですね。『September』はEW&Fではなく竹内まりやの方です。年上の女性に彼氏を寝取られる(NTR)歌詞の曲です。オリジナルとは正反対の抑えアレンジとリズムが秀逸です。しかし、借りていた辞書の「love」という言葉切り抜くのはどうかと思います。

このアルバムの裏テーマは「原田知世松本隆を歌う」かも知れません。10曲の収録曲のうた5曲は松本隆が作詞したもので。『September』も『キャンディ』も松本隆の作詞です。原田真二の『タイムトラベル』がけっこう好きなんですが、あまりカバーされません。確か鈴木雅之のがカバーしていたはず。

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