ぶら~りネット探訪

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『プリンス/サイン・オブ・ザ・タイムズ』』の追悼上映を見た

4月21日に亡くなったプリンスが1987年に製作した映画『プリンス/サイン・オブ・ザ・タイムズ』の追悼上映を立川シネマシティで見ました。

立川シネマシティと言えば極音上映で有名な映画館です。今はなき吉祥寺のバウスシアターの爆音映画祭みたいな感じで音響にこだわった上映を日常的にやっている映画館です。NWAの伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』を極音上映で見たことがあります。正直、『ストレイト・アウタ・コンプトン』の音響は普通の映画館に比べると確かに良いのですが、凄く感激したかというとそれほどではありませんでした。

上映前のスクリーンにはラブ・シンボルと『Rest in Peace』 ではなくて『Rest in Purple』の文字が映し出され『Purple Rain』がかかっていました。

『プリンス/サイン・オブ・ザ・タイムズ』は本当に素晴らしかったです。ドラムやベースが腹に響いてライブの音響にかなり近いものを感じました私はライブスタイル上映ではなく通常上映で見たのですが、1曲目の『Sign Of The Times』が始まった瞬間、ライブスタイル上映にしておけば良かったと後悔しました。

この映画は1989年に公開された時にも1度見ています。30年近くたって改めて見なおしてみると時代を感じさせる部分はありますが、プリンスのパフォーマンスの凄さに改めて驚かされます。ギターの演奏はもちろん素晴らしいのですが、クルクル回ったり、踊りながらギターを弾くのはプリンスだけじゃないでしょうか。

バンドにはホーン・セクションも入っていて、シンセがメインだったミネアポリス・ファンクではなく割りとオーソドックスなジャジーでファンキーでなアレンジが素敵でした。『I Could Never Take The Place Of Your Man』ではスタジオ版ではギターが弾くリフをホーンが吹いていたのが印象的でした。

シーラ・Eのドラムとオッパイもパワフルでたまりませんでした。『It's Gonna Be A Beautiful Night』ではキャットではなくシーラ・Eがラップをやっていました。

シーナ・イーストンとのデュエット『U Got The Look』はPVの映像が使われていてかなり違和感がありました。リアルタイムでも今になっても「なぜシーナ・イーストン?」という疑問が解けません。

最初に見た時はキャットとコーラスの男の小芝居がけっこう多くて、「芝居はいい!ライブをうつせ!」と思っていたのですが、今見ると芝居は気になるほど多くはありませんでした。『プリンス/サイン・オブ・ザ・タイムズ』は『パープル・レイン』のような劇映画にライブ映像を足した映画ではなくライブ映像がメインの映画です。

歌詞の性的表現が露骨すぎると言われることが多かったプリンス。ピーター・バラカンも歌詞が猥褻だからプリンスは好きではないと言っていました。(ピーター・バラカン忌野清志郎の書く歌詞も卑猥で言葉遣いが乱暴だから好きではないと言っていた記憶があります。)この映画では歌詞が字幕で表示されていました。『Sign Of The Times』の歌詞は色々と考えさせられます。特に「人が本当に幸せを感じるのは死ぬ時くらい」といった歌詞にはドキッとさせられました。キリスト教的な歌詞の『The Cross』でライブが終わるのも何かの暗示なんでしょうか。

アルバムでは『The Cross』→『It's Gonna Be A Beautiful Night』→『Adore』の順番になっています。『It's Gonna Be A Beautiful Night』→『Adore』の流れが本番→後戯というような流れに感じられて好きなんですが。

エンドロールが終わると拍手が湧いてきました。

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