ぶら~りネット探訪

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『クロニクル』を見た

ジョシュ・トランク監督の『クロニクル』を見ました。

町山智浩宇多丸が非常に褒めていたので気になっていましたが、なかなか見る機会がなく、1月に早稲田松竹でやっていたのでようやく見ることができました。

主人公のアンドリューは冴えない高校生。父親は元消防士だけど現在は無職で何かというとアンドリューを殴りつる。母親は難病で寝たきり。母親の薬を買うのにも苦労している。ある日アンドリューは従兄弟のマット、学校の人気者のスティーブと謎の洞窟で偶然、超能力を身につけてしまう。3人は超能力をたわいない遊びに使っていたが、超能力をどんどん自由に操れるようになっていき、3人で車に乗っているときに後ろから煽ってきた車をアンドリューは超能力で川に落としてしまう。マットは超能力を人を傷つけることに使わないことを提案する。アンドリューの母親の病気は悪化し、父親のアンドリューに対する暴力も日に日に酷くなっていき、ついにアンドリューは・・・、というお話。

あちこちで既に言われていますが、大友克洋の『AKIRA』、『童夢』、『キャリー』などの影響を色濃く感じさせる映画です。去年の秋に公開された『スーパーマン』のリブート『マン・オブ・スティール』、クロエ・グレース・モレッツ主演でリメイクされた『キャリー』が個人的に非常に残念な映画だったのですが、この2本の映画のダメな部分を『クロニクル』はクリアしていました。

1つは空を飛ぶ爽快感、もう1つは主人公たちが超能力を徐々に身につけて行く所です。『マン・オブ・スティール』で空を初めて飛ぶシーンには僅かに爽快感はありましたが、やはり陰々滅々としていました。『クロニクル』は全体的に暗い話ですが、3人が超能力を身につけ始めたときは無条件に明るく、バカバカしく、いかにも高校生が考えそうなイタズラに超能力を使う所が良かったですね。

アンドリューが母親の薬代を稼ぐために決心して服を着替えるシーンでデビッド・ボウイの『Ziggy Stardust』がかかる所はグッときました。ラストシーンで『Rock'N'Roll Suicide』がかかればモアベターだったんですけどね。そう言えばこの映画の舞台はシアトルだそうです。シアトルと言えばニルヴァーナですね。あんまり関係ないけどニルヴァーナデビッド・ボウイの『The Man Who Sold the World』をカバーしていました。アンドリュー内向的な性格や見た目もなんだかカート・コバーンのように思えてきます。

アマゾンで母親の薬代を稼ぐのになんで銀行強盗じゃなくてコンビニ強盗やカツアゲしているのが変だというレビューがありました。カツアゲやコンビニ強盗しか思いつかないという所がボンクラ高校生の間抜けで悲しいところだと思いますけどね。

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