ぶら~りネット探訪

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『本当はこんな歌』を読んだ

町山智浩の本職は映画評論家ですが、この本は洋楽ロック(厳密にはロックだけではありませんが)の歌詞について書いた本です。

アマゾンのレビューでもっとメジャーな曲を取り上げて欲しかった、知らない曲大杉というレビューがありました。全部で40曲紹介されていますが、私が知っているのは3分の1くらいでした。オルタナティブ系の曲が多目な感じです。私は『週刊アスキー』の連載時代もたまに読んでいました。あとがきにも書かれていますが単行本がに当たって許諾が得られなかった曲がありカットされてしまった曲があります。ニルヴァーナの『Smells Like Teen Spirit』もそんなん中の1曲でした。

知らない歌の歌詞でも町山智浩の解説が圧倒的に面白いため文字の情報だけでも十分楽しめました。知らない曲をYouTubeで探して聞くことはいまのところしていません。ミュージシャンの生い立ちを含めて歌詞を解説しているところは特に面白くて、映画のパンフレットの解説を読んでいるような気分になりました。スマッシッング・パンプキンズのビリー・コーンガンやビリー・ジョー・アームストロングの話は特にグッとくるものがありました。

社会問題などに鋭く切り込んだ歌詞について書かれたものが多目ですが、男女の複雑な事情を綴った歌詞も取り上げられています。フリートウッド・マックのアルバム『Rumours』製作中に夫婦だったリンジー・バッキンガムとスティービー・ニクスの関係が壊れていくところをどつき漫才正司敏江・玲児に絡めて語っているところは笑えて泣けました。

欧米のミュージシャンは離婚してもしばらくはバンドを続ける人が多いですね。この本で登場するホワイト・ストライプスフリートウッド・マックの中には2組、ユーリズミックスソニックユースのサーストン・ムーアとキム・ゴードンも離婚したみたいです。日本のミュージシャンは離婚すると仕事上の付き合いも解消してしまう方が多い気がします。加藤和彦福井ミカ坂本龍一矢野顕子そんなところか。漫才は町山智浩も書いた敏江・玲児をはじめ、ミヤコ蝶々南都雄二、唄子圭介など別れてもコンビを続ける人がいます。なぜ なんでしょうかね?

ピンク・フロイドザ・フー、ニッケル・バックといったバンドはロックが巨大な産業となりロック・スターがそのシステムに取り込まれていく苦悩する歌が取り上げられています。ある意味この手の歌詞は伝統芸能なんじゃないかと思えます。『文化系のためのヒップホップ入門』という本をでは「ロックは資本主義からドロップアウトする音楽で、ヒップホップは資本主義に入っていくための音楽」と書かれていたのを思い出しました。ロック・スターは悩みすぎてカート・コバーンのような自殺する奴がいるけど、ヒップホップは2PACみたに殺されてしまうと書かれていました。

この本を読んでいたら2007年にNHK教育で放送されていた『ジュークボックス英会話』を番組を思い出しました。マーティ・フリードマン中田有紀が出ていてこのブログでもネタにしていました。この番組でもポリスの『みつめていたい』が取り上げられていて中田有紀がやはりストーカーみたいと言っていました。余談ですがホール&オーツの『Private Eyes』もストーカーみたいな歌詞だった気がします。

本当はこんな歌