ぶら~りネット探訪

音楽、競馬、映画などについて非常にテキトーにダラダラと綴っていくブログでございますですよ。

『マタンゴ』を見た

銀座シネパトスで『水野久美映画祭』をやっていたので、『マタンゴ』と『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』を見てきました。

チケット売り場で勢い良く「マタンゴ1枚!」言ってみました。チケット売り場のおじさんも「はい、マタンゴ1枚ね」と返してくれました。

東京都現代美術館で行われている特撮博物館のチラシも置かれていました。さすがに子供連れはいませんでしたが客層は特撮博物館と似たものがありました。ちなみに今までシネパトスで家族連れの客は1回も見たことないですね。

マタンゴ』はヨットのクルージングを楽しんでいた若い男女7人が遭難し、無人島に流れ着いてテンヤワンヤになるお話。

話は毒々しいネオンの輝く東京の夜景をバックに無人島から唯一生還した男の独白から始まります。「キチガイ」、「キチガイ病院」といったセリフから男はどうやら精神病院に収容されていることが伺えます。男は後ろ姿だけで顔は見えません。突然画面は明るい夏の海に切り替わりオープニングタイトルになります。ヨットの帆にクレジットが表示されるところがお洒落でした。

マタンゴ』は上時間が89分と短いのですが、全体的テンポが悪いのと、女2人と5人の男のキャラクターの描き分けがしっかりしていないせいで、正直あまり面白い映画とは思えませんでした。

水野久美は確かに綺麗で現代でも十分に通用するような美貌です。細めの眉毛に付け睫毛というメイクがちょうど時代が一回りして、それほど古く感じないような錯覚に襲われました。80年代の後半から90年代に見たら、もっと古くさく感じたと思います。

水野久美は当時ヴァンプ女優と呼ばれていたそうですが、『マタンゴ』の水野久美の役どころは今ならビッチと呼ばれそうな感じです。

怪物であるマタンゴであるよりも極限状態でエゴを剥き出しにした人間の方が恐ろしいという感想をよく目にしますが、東宝映画のせいかエゴの剥き出し方がお上品な感じがしました。

海猿』の伊藤英明の主演でリメイクしたら面白いと思います。水野久美の役は水野美紀で監督は『隠し砦の三悪人』や『日本沈没』のリメイクや『巨神兵東京に現わる』でお馴染みの樋口真嗣でどうでしょうか。

マタンゴは核実験の影響で生まれたキノコではないかと匂わせる描写や、核実験の影響で生まれた奇形の生物の標本が出てくるシーンがあるのも時代を感じさせます。ゴジラ第五福竜丸事件からヒントを得て作られたことを考えると当時としては特に特別なことでもなかったわけですね。1954年の3月1日に第五福竜丸の事件が起こり、ゴジラは同じ年の11月3日に公開されています。

今のところ福島第一原子力発電所事故をモチーフにしたフィクションは全くないような気がしますが、気のせいでしょうか?何かあったら誰か教えてください。お願いします。

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』はDVDも持っています。しかし、この映画は何度見ても面白い。怪獣映画は映画が始まって怪獣が登場するまでけっこう時間がかかる事がありますが、この映画はガイラが登場するまでそれほど時間がかかりません。人型の怪獣が2体出てき戦うという内容も怪獣映画としては珍しいと思います。エヴァンゲリオンの元ネタの一つと紹介されていのがこの映画を見るきっかけでした。特撮博物館でも展示されていたメーサー殺獣光線車も大活躍していました。

この映画での水野久美は科学者あるいは科学者であるラス・タンブリンの助手のような役で、映画の中では水野久美の役の職業ははっきりとは説明されていません。『マタンゴ』とは違い、サンダの良心を信じるちょっとカマトトぽい女性を演じています。でも化粧の濃さはあまり変わりません。ラス・タンブリンのセリフは日本語の吹き替えが付いていて、英語は一言も喋りません。ラス・タンブリンのセリフの面白さがこの映画のもう一つの魅力だと私は勝手に思っています。

マタンゴ』でも『サンダ対ガイラ』でもシーンが変わるごとに水野久美の衣装が変わるのというところ良かったですね。

マタンゴ [DVD]