ぶら~りネット探訪

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『果てしなきグラムロック歌謡の世界』を聞いた

ROLLYの『グラマラス・ローリー~グラム歌謡を唄う』というアルバムが今年の2月にリリースされ、このブログでも感想を書いてのですが、2011年の8月にもROLLYも参加した『果てしなきグラムロック歌謡の世界』というコンピレーションアルバムがリリースされていたのを知り、このアルバムも聞いてみました。 タイトル通り、60~70年代の歌謡曲グラムロック風のアレンジでカバーするというコンセプトのアルバムです。なんとなく、近田春夫の『電撃的東京』の延長線上にあるような錯覚があったのですが、収録曲を改めて比べてみるとだぶっていたのは『きりきり舞い』だけでした。『真夏の出来事』も入っているから、どうしも近田春夫を連想してしまうのかな? 『ビューティフル・サンデー』、『君は薔薇より美しい』、『酒と泪と男と女』、『ルージュの伝言』といった選曲が非常に意外で、そこがこのアルバムの魅力でもあります。『ビューティフル・サンデー』も『君は薔薇より美しい』もしっかりとグラムロックになっています。 『君は薔薇より美しい』(作曲はミッキー吉野)はレアグルーヴ的な解釈で捉えていましたが、THE BOHEMIANSは見事にグラムとして解釈しなおしています。ボーカルが特にいいですね。布施明に正攻法で挑んでも勝つのは至難の業なので、投げやりでヤケクソな歌い方は「なるほど!その手があったかと」と思いました。 キノコホテルは名前知っていましたが、このアルバムで初めて聞きました。マリアンヌ東雲の歌声はドスの聞いた平山三紀といった感じですね。 『酒と泪と男と女』はDIAMOND☆YUKAIが歌っています。グラムなアレンジではなくなぜかレゲエ風味で、凄く爽やかで、湿度が低めの仕上がりになっています。飲み潰れても、翌朝は二日酔いなど全く無い感じですね。 『酒と泪と男と女』は映画『愛と誠』で余貴美子も歌っていました。『愛と誠』の音楽は小林武史がやっていました。どうせ、昭和歌謡を取り上げるならROLLYにやってもらいたかったですね。 土屋昌巳の『花の首飾り』も典型的なグラムなアレンジではなく、オルガンのリフが非常に印象的なグラムと言うよりはゴシックな感じの仕上がりになっています。 ブックレットにこのアルバムに参加したミュージシャンたちの座談会が収録されていました。この座談会で気になったのはマドンナの『Like A Virgin』はT・レックスの『Get It On』に似ているというような発言です。実は私も同じ事を感じていました。マドンナの『Like A Virgin』はシックのナイル・ロジャースのプロデュースで、ベースはシンセでシーケンサーの全くグルーヴ感のない演奏で、ギターもディスコ風の全く歪んでいません。80年代を象徴するようなエレクトロ・ファンクというかエレポップな曲です。 しかし、不思議な事に直訳ロックの王様がバンド編成で『Like A Virgin』をカバーした『まるで処女』を聞くと、確かに『Like A Virgin』が『Get It On』のように聞こえます。歌メロはほとんど似ていませんが、ベースラインとギターのカッティング、そしての二つの絡み方が非常によく似ています。『まるで処女』を聞くとマドンナ、ナイル・ロジャースマーク・ボランが王様によって繋がるという不思議な体験ができます。 果てしなきグラムロック歌謡の世界
果てしなきグラムロック歌謡の世界