ぶら~りネット探訪

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『月光ノ仮面』を見た

板尾創路、脚本、監督、主演の『月光ノ仮面』を見ました。

予告で落語の『粗忽長屋』をモチーフにしているのが気になり、見ることにしました。最近は再上映された落語をモチーフにした『幕末太陽傳』も見ました。

舞台は昭和22年の東京、戦死したはずの人気落語家、森乃家うさぎ(板尾創路)が寄席に姿を現す。うさぎは生きて帰ったものの記憶を失っていた。そんなうさぎを森乃家一門は暖かく迎る。石原さと演じる森乃家天楽(前田吟)の娘でうさぎの許嫁、弥生もうさぎの帰りを喜ぶ。うさぎは天楽の世話で名前を変えて小さな寄席の高座に上がりはじめるのだが、そんな時にもう一人の森乃家うさぎ(浅野忠信)が帰ってきて、てんやわんやになるというお話。

粗忽長屋』が下敷きになっているために全体的にシュールで不条理な感じの映画になっています。良く言えばデビッド・リンチの映画のような訳な分からない映画、悪く言うと説明不足で投げっぱなしなシーンが多い映画です。

公式サイトの著名人のコメントで大槻ケンヂも書いていますが、この映画にはドクター中松が出演しています。「ドクター中松さんにアカデミー助演男優賞を与えます!その権利をもっていませんがこの際関係ないです」といコメントが一番笑えました。

コメントを寄せている他の著名人は秋元康NMB48山本彩堤幸彦楽しんご宮崎あおいの元旦那の高岡蒼甫改め高岡蒼佑、Candle JUNE(キャンドル・ジュン)といった凄い人たち。

関係ないけど、堤幸彦の『はやぶさ/HAYABUSA』はトンデモ映画みたいだったようですね。『BECK』をテレビで見ましたが、これも噂に違わぬ凄い映画でしたね。

落語のシーンはけっこうまともで楽しめました。前田吟は『心眼』と『野晒し』、カラテカ矢部太郎は『金明竹』、六角精児は『だくだく』を演っていました。もちろん数分でそれほど長くはないのですが、それなりに雰囲気は出ていました。

特に『心眼』を演っていたのは驚きました。『心眼』は梅喜が薬師様で願掛けをするシーン、『野晒し』ではサイサイ節を歌うシーンを前田吟が熱演していました。前田吟を映画のスクリーンで見るのは『男はつらいよ』以来ですね。

矢部太郎は『金明竹』の上方弁の口上を稽古していました。このシーンは1分もなかったと思います。六角精児が『だくだく』を演じているのはさらに短かったですね。

國村隼が寄席の席亭の役で出ていて、森乃家一門の落語家の役で柄本佑が出ていたので、『さや侍』のキャスティングみたいだと思ったのですが、『さや侍』に出ていたのは柄本時生の方でした。

エンドロールで『キーハンター』のテーマ曲がかかるのもよく分かりませんでした。まぁ、そう言う映画と自分に言い聞かせました。

雰囲気自体はけっこうそれなりのものがあり、松本人志の『さや侍』よりも完成度は高いような気もします。板尾創路はシュールで不条理な路線で映画を撮り続け、日本のデビッド・リンチを目指してもらたいものです。

渋谷のシアターNで見たのですが、観客は10人くらいでした。笑いは全く起こりませんでした。

【映画パンフレット】 『月光ノ仮面』 出演:板尾創路.浅野忠信.石原さとみ
【映画パンフレット】 『月光ノ仮面』 出演:板尾創路.浅野忠信.石原さとみ