ぶら~りネット探訪

音楽、競馬、映画などについて非常にテキトーにダラダラと綴っていくブログでございますですよ。

『パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた...夏』を聞いた

面影ラッキーホールの『パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた…夏』を聞いてみました。

町山智浩が『小島慶子キラ☆キラ』紹介していたのがきっかけでで面影ラッキーホールの『音楽ぎらい』を聞いてみたら、これがけっこう当たりで、すっかり気に入ってしまいました。

このCDは2007年にリリースされたものだそうです。DVDがついて2100円だったので安いと思って買っていましたが、よく見たらこれシングル扱いで、CDに入っているスタジオ録音の音源は2曲だけでした。

ジャケットのイラストは『宮本から君へ』や『ザ・ワールド・イズ・マイン』でお馴染みの漫画家、新井英樹が描いています。帯の宣伝文句は吉本隆明宮藤官九郎という異色の組み合わせ。

『パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた…夏』はタイトル通りの歌詞の曲です。最近の夏のニュースやワイドショーにはかかせないネタですね。仕事をしない旦那と慣れない子育てと夜の仕事で疲れた若い奥さんが主人公の曲です。奥さんは旦那の暴力や育児の疲れを忘れるためパチンコを打ちます。そして、ついついパチンコに夢中になっている間に乳飲み子を死なせてしまうという悲しい歌詞になっています。

後部座席の『代紋TAKE2』の表紙や『ミナミの帝王』のビデオテープのように娘も干涸らびて、のびていたという歌詞が切なくて、それでいてこの奥さんや旦那の生活感がリアルに伝わってきます。

この曲の凄いところは歌詞は悲惨なのにアレンジは派手なホーンが入っている軽快なファンクに仕上がっているところです。メロディーもキャッチーで、iPodで聞いていると思わずサビの部分を口ずさんでしまいそうな曲です。昭和の歌謡曲的な派手さ聞きやすさにあふれていると言ってもいいかもしません。

『俺のせいで甲子園に行けなかった』はライブバージョンが収録されています。このタイトルを聞いたとき、予選の決勝戦で決定的なエラーをした高校球児の歌かと思ったのですが、全然違いました。

甲子園の出場が決まっていた高校球児が暴力事件を起こす歌詞でした。暴力事件とは、この歌の主人公の彼女が他校の生徒にレイプされたため、仕返しに行ったというものでした。昔のヤングマガジンなんかのヤンキー漫画にありそうなシチュエーションですね。(読んだことないけど。)

『俺のせいで甲子園に行けなかった』はDVDに別のバージョンでライブ音源が収録されています。曲の途中でボーカルの佐々木“ACKY”あきひ郎が「お前ら、長渕剛のライブ行ったことがあるのか!」と叫んでいるところがバカうけでした。

佐々木“ACKY”あきひ郎の声はちょっと甘すぎて、お世辞にソウルフルな感じはしません。しかし、強烈な内容の歌詞をちょっと甘ったるい声で歌うことで、歌詞の持つ毒が少し中和されてちょうど良い感じなのかもしれません。声質的には岡村靖幸に近いものを感じます。

DVDには『あんなに反対してたお義父さんにビールをつがれて』も収録されていました。この曲のはちょっと感動系のグッとくる歌詞ですが、また別の味わいがあります。

パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた...夏 (DVD付)
パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた...夏 (DVD付)