ぶら~りネット探訪

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『ホーボー・ウィズ・ショットガン』を見た

ジェイソン・アイズナー監督、ルトガー・ハウアー主演の『ホーボー・ウィズ・ショットガン』を見ました。

元々この映画はクエンティン・タランティーノロバート・ロドリゲスの二本立て映画『グラインドハウス』のプロモーション企画として行われたフェイク予告編コンテストに出品され、優勝した予告編が元になった映画だそうです。

気持ちがいいくらいB級映画、バカ映画でした。見終わってから気がついたのですが、この映画はR-18でした。『恋の罪』とは違い女の裸がたくさん出て来ません。宣伝文句で「5分に1度のショックシーン」とあるように、とにかく人体破壊描写の連続です。しかし、低予算映画なのでリアリティが足りないので、派手な割にグロくありません。

主人公のホーボー(流れ者)はルトガー・ハウアー演じるホームレスのじいさん。流れ着いた街はドレイクというヤクザ者と彼の凶暴なドラ息子二人が支配する荒みきった街で、警察さえもドレイクの支配下にある。

ホーボーが入った質屋に強盗が押し入り、ホーボーは偶然、ショットガンを手にしてしまう。そしてショットガンで強盗を退治してしまったことから、ホーボーは街の清掃に乗り出していき、ドレイクやその息子たちと対決していくことになる。

ストーリーだけ聞くと『キック・アス』や『スーパー!』あるいは、チャールズ・ブロンソンの映画みたいな感じがするかもしれませんが、そこまでしっかりした映画ではありません。

しかし、スプラッター描写のアイディアがけっこうひねりが効いていて単純に銃や刃物で人がどんどん死んでいくう訳ではありません。マンホールの蓋やトースター、スケート靴の使い方にはなるほどと思いました。

後半に登場する「地獄の使者」と呼ばれる二人組も良かったです。ダース・ベイダーと言うか日本の鎧武者みたいな格好していますが、凄く安い感じがたまりませんでした。『電人ザボーガー』みたいな感じですね。全体的にも井口昇的なテイストに通じるものを感じる映画でもありました。

「地獄の使者」がホーボーを捕まえて棺桶に入れて、バイクで連れ去るところも良かったですね。おそらくこの辺の描写は昔の西部劇を意識したものだと思います。しかし、私は『帰ってきたウルトラマン』でナックル星人とブラックキングに倒されたウルトラマンが磔にされて地球からナックル星に連れ去られるシーンを思いだしました。

「地獄の使者」のアジトで、「地獄の使者」の一人が後ろのほうでクレクレタコラみたいな着ぐるみと戯れているシーンがあったのですが、あれは何だったのでしょうか。

ホーボーを助けてくれた娼婦のアビーと街を抜けだそうと支度をするシーンがコメディータッチだったり、ホーボーが病院の新生児室の前で赤ん坊に語りかけるシーンがシリアスだったりしたのも妙に歪な感じがして良かったです。

ラストがけっこう、あっけなくてちょっと拍子抜けでした。まぁ、でも深く考えたり、余韻に浸る映画ではないので、別にあれでかまわないのでしょう。

ルトガー・ハウアーと言えば『ブレードランナー』ですが、この映画ではもちろん見事にじいさんです。この映画の始まるの前に『ブリューゲルの動く絵』という映画の予告をやっていて、この映画で画家のピーテル・ブリューゲルを演じているのもルトガー・ハウアーでした。『ブリューゲルの動く絵』も渋谷のユーロスペースで現在公開中です。

シアターNで見たのですが、途中で映写機が故障するというトラブルがあり、ピンぼけの状態が何分かつづきました。帰りに係員からお詫びとし招待券をもらいました。でも、もう一回『ホーボー・ウィズ・ショットガン』は見ません。一回でお腹いっぱいです。

HOBO WITH A SHOTGUN ホーボー・ウィズ・ショットガン Tシャツ
HOBO WITH A SHOTGUN ホーボー・ウィズ・ショットガン Tシャツ