ぶら~りネット探訪

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『トラブルなう』を読んだ

雑誌『実話ナックルズ』などの編集長や発行人をやっている久田将義の『トラブルなう』を読んでみました。

この本もTBSラジオ『Dig』で藤木TDCが紹介していた本です。雑誌の編集をやっている久田将義が実際に体験した雑誌にまつわるクレーム、恫喝、脅迫などのトラブルについてまとめた本でございます。

この本はクレーム、脅迫をしてくる人たちの職業別?に3つのチャプターに分かれています。第1章はヤクザ、右翼、エセ同和などの「アウトロー編」、第2章は「政治家編」、第3章は文化人、ライター、出版社などの「文化人・ライター編」になっています。

アウトロー編」に関しては今でも、団体や個人が特定できては問題があるためか、各エピソードのディテールについてはかなりボヤけた書き方になっています。それでもヤクザの恫喝、脅迫は文字で読んでも気分のいいものではありません。

アウトロー編」ではヤクザ、右翼、エセ同和の他に殺人を犯した人と著者が対面したときのエピソード載っています。この部分は特に殺人犯とのトラブルではなく、人を殺めた人はみな一様に独特の目をしていたという話。殺人を犯した人に、人を殺めた時の事を聞くと、みな「トロンとした眠そうな目」するのだそうだ。日本のヤクザも中国人のプロの殺し屋も市川の一家4人殺人事件の死刑囚も。(例外は民主党石井紘基議員を殺害した伊藤白水だそうな)新選組土方歳三の写真もそんな目をしているそうだ。土方歳三の写真は有名だけど、正直これだけでは私には判断つきません。

「政治家編」についてもディテールがボヤケているものもありますが、クレームを付けてきた政治家のヒントになるような事もチラホラ書かれている部分もあります。

亀井静香には名誉毀損で訴えられ、久田将義は直接取材を担当したわけではないのに裁判の証人として出廷しています。出廷するにあたって久田将義は担当の弁護士と2週間にわたって裁判のシミュレーションを行ったそうです。証人として出廷するにあたって大切なのは、不必要なほど言葉をハッキリ、ゆっくりと発する事と書かれています。これを読んで私は映画『冷たい熱帯魚』で殺人を隠蔽するためにでんでんが吹越満にウソの証言の練習を執拗に何度も繰り返させるシーンを思い出しました。

渡辺喜美についてはトラブルはなく、さっぱりした印象を持ったと書かれています。逆に歴代首相の中で一番クレームが多かったのは安倍晋三元首相だったそうです。

「文化人・ライター編」についてはほとんどが実名で書かれています。中森明夫藤井良樹などのライターズデンとのロフトプラスワンでの公開討論のエピソードが笑えました。この本にも書かれていますが、宮台真司はこの頃、中森明夫藤井良樹とよくつるんでいましたなぁ。藤井良樹という名前が懐かしいですね。この本で久しぶりに思い出しました。小太りで金髪、喋り方は基本的にタメ口という不思議なキャラでした。ブルセラ問題がテーマのときの『朝まで生テレビ!』に何回か出ていたのを見た記憶があります。

宝島社とのトラブルでは『噂の真相』の編集長だった岡留安則から「ここはなんでも抗議するから気をつけなよ」と言われた直後に内容証明郵便が送られてきたそうです。この時代は確か町山智浩が『宝島30』で編集をやってときのはず。ちなみに町山智浩は今でも宝島社の社長のことは恨んでいて、『小島慶子 キラ☆キラ』で『ホリブル・ボス』という映画を紹介しながら宝島社の社長を罵っていました。

この本の最後は久田将義岡留安則の対談になっています。この二人は宅八郎と関わったために十二指腸潰瘍になっています。ヤクザよりも右翼よりも政治家よりも宅八郎なのか?

トラブルなう (ナックルズ選書)
トラブルなう (ナックルズ選書)