観客の目の前で西原理恵子が有名漫画家と対決する『西原理恵子の人生画力対決 2』を読んでみました。
1巻目の会場は全て新宿のロフトプラスワンでしたが、2巻目ではビルボードライブ東京、京都国際マンガミュージアム、シドニーなどでも画力対決が繰り広げられています。
登場する漫画家は吉田戦車・伊藤理佐・雁屋哲・松本零士・須藤真澄・くるねこ大和・浦沢直樹・長崎尚志・江口寿史・竹宮惠子・若杉公徳の11人。雁屋哲と長崎尚志は漫画の原作者で絵は描かない人です。
若手の若杉公徳から大御所の松本零士、竹宮恵子までバラエティ豊かな対戦者は1巻目よりも強力で豪華です。表紙の絵からも想像できるとおり、今回のメーンイベントは浦沢直樹との対決と思われます。この対戦のページ数が一番多く、シークレットゲストが2人も登場し、会場はビルボードライブ東京、これは盛り上がらないわけないと普通は思いますが、江口寿史が登場するまでは正直、それほど面白くありません。浦沢直樹の絵が普通に上手いのとプロレス的な西原理恵子の煽りにほとんど乗ってこないのがその理由です。「ビートルズ」というお題で、西原理恵子がしりあがり寿を描けばジョン・レノンという所と、「あしたのジョーの最終回」のお題で江口寿史がマンモス西の鼻うどんを描いていたのは笑えました。
浦沢直樹に谷亮子を描かせたところは面白かったですね。二人の描いた絵よりもお題が「本物のヤワラちゃん」となっていたところが肝でした。
意外に面白いのは松本零士でした。「叶姉妹」というお題で松本零士の描いた「叶姉妹」は見事にスターシャとサーシャはお約束でも笑えます。定番のお題「ゴルゴ13」で松本零士が描くデューク東郷はルパン三世風で持っているライフルはM16ではなく、AK-47みたいなところが不思議でした。
竹宮恵子の回はかなり気を使った感じかして、西原理恵子のツッコミはかなり甘めです。私はほとんど少女漫画の世界は分からないので、有難味や面白さが今一つ分からなかったのですが、「SMAP」というお題で二人とも4人しか描いていない所は笑えました。竹宮恵子の描いたデカプリオはかなり若い。『太陽と月に背いて』の頃のデカプリオと勝手に解釈しました。
若杉公徳が何を描いてもクラウザーさんになってしまうのも良かったですね。若杉公徳の描くデューク東郷はスーツを着て寿司を握っているように見えるため、「寿司屋なゴルゴ」と書かれています。
須藤真澄とくるねこ大和の写真は1枚も載っていないのは何故なんでしょうか?大人の事情なんでしょうか?西原理恵子の家で飼っている猫の話はあまり面白くないのにけっこうな量があるのはいただけませんね。ああいったネタは最小限に留めてもらいたいですね。