ぶら~りネット探訪

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『憚りながら』を読んだ

この本は暴力団山口組後藤組の元組長、後藤忠政が自らの人生を語った本です。

私はヤクザやヤクザ映画についても特に憧れも興味も全くございません。私がこの本を読もうと思ったのは、後藤組創価学会との関係や伊丹十三襲撃事件について書かれているという話を聞いたからです。

伊丹十三襲撃事件について後藤忠政は直接関与していないということで、それほど詳しいことは書かれていません。襲撃犯が逮捕されて、自分の組の者と初めて知ったと語っています。ヤクザの面子を潰すような映画(『ミンボーの女』)を作った伊丹十三を襲撃するのはヤクザとしては当然で粋なことをしたものだとも語っています。

創価学会富士宮市での霊園開発に後藤組は関わっていたそうです。創価学会の霊園開発はかなり無茶なやり方したために、富士宮市市議会で問題になり、後藤組はその火消し的な役割も果たしてそうですが、事態が収まると創価学会後藤組との関係をトカゲの尻尾切りのように精算しようとししたため、関係がこじれ、今回の暴露に至ったようです。

後藤忠政民族派右翼の野村秋介を生涯の友と呼び、野村秋介との関係についてまるまる一章語っています。野村秋介経団連襲撃で府中刑務所に服役しているときに、後藤忠政の兄も府中刑務所に服役していて、後藤忠政の兄と野村秋介の出会い二人の出会いのきっかけだったそうです。フィリピンで反政府ゲリラに拉致された日本人カメラマンの救出した話や糸山英太郎襲撃事件が非常に面白かったです。

武富士の株式上場に後藤組が暗躍していたことも語られています。この時も創価学会ときのように武富士は最後には後藤組を裏切っています。

投資ジャーナルの中江滋樹が出所した後、事業をもう一度起こすために資金を借りに後藤忠政のところにやって来たも語られています。

ハマコーこと浜田幸一は、後藤忠政の友人のところに金を借りにやってきて、何億か貸したしたそうなのですがハマコーは借金を踏み倒したそうです。最近ハマコーは同じような事件で逮捕されていましたね。後藤忠政ハマコーを政治家というより事件師に近いタイプと語っています。ちなみこの本が発売されたのは2010年5月29日です。

日本の政治や社会について色々と語っている部分もあるのですが、正直この辺の話は床屋政談的な話で目新しさはあまりありません。秋葉原の通り魔事件など最近はおかしな事件が増えているが、ヤクザはそんな事件を連中よりもマトモだと語っています。ヤクザの抗争に巻き込まれて一般市民が流れ弾に当たって死んだり、人違いで撃たれたり死んだりする事件などもありました。通り魔もヤクザも迷惑な存在であることには変わりないですね。。

昔の総会屋は大義があったかが、今のホリエモン村上世彰は小チンピラと語っているのも、「昔は良かった、それに比べて今の若いものは」みたいな感じであまり説得力がありませんね。

ヤクザがどのくらい政治や経済に関わっているかを知るきっかけにはいい本だと思います。芸能界やスポーツ界とのヤクザの関わりにはそれほど多くは語られていなとところは少し残念ですね。

憚(はばか)りながら
憚(はばか)りながら