ぶら~りネット探訪

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『オーケンの、私は変な映画を観た!! 2』を読んだ

大槻ケンヂの映画についてのコラム『オーケンの、私は変な映画を観た!! 2』を読んでみました。この本は『キネマ旬報』での連載コラムをまとめたものです。 この本に登場する映画は本のタイトルのとおり、基本的に変な映画ばかりです。カルト的な名作と言われる作品(『太陽を盗んだ男』や『狂い咲きサンダーロード』など)もいくつか出てきますが、メインはB級映画です。 大槻ケンヂらしく格闘技を扱った映画やポルノ、ピンク映画、バンドや音楽につていの映画について比較的多く語られているのもこの本の特徴ですね。 梶原一騎の『四角いジャングル』三部作の舞台裏については非常に味わい深い物になっています。漫画の中の妄想を実際の格闘技リングで現実化し、それをさらに映画にしてしまうという、何だかよく分からない『四角いジャングル』だったようです。改めて梶原一騎の偉大さやいい加減さを感じました。 大阪のサウナの仮眠室で緩みきったオヤジたちをいつのまにか興奮させたジェット・リー(当時はリー・リンチェイ)の『電光飛竜』の話も不思議な感動みたいなものを感じました。 長谷川和彦監督の『太陽を盗んだ男』での菅原文太の「ろうりんぐすとおんずなど来おおん!」というセリフのローリング・ストーンズの部分を色々なバンドに置き換える話も笑えました。この映画は沢田研二が演じる中学の理科の教師が原爆作って政府に色々と無茶な要求をするとい話で、その中の一つがローリング・ストーンズを来日させろというものだったそうです。 『ゆきゆきて神軍』の奥崎謙三については映画ではなく、選挙に出た時の政見放送がメインで語られています。この政見放送は今ではYou Tubeで見ることが出来ます。確かにこの政見放送は強烈です。オーケンはこのビデオを中島らもに借りて見たそうで、ビデオは未だに返さしていないようです。「らもさん延滞料は天国で酒にて勘弁。」という一文がちょっと泣ける。 そんな中、何故か突然アン・ハサウェイの『プリティ・プリンセス』、ジェニファー・ローペスの『メイド・イン・マンハッタン』、マライア・キャリーの『グリッター きらめきの向こうに』について語っていたりします。ここでは女性向け映画の最重要ポイントが指摘されています。この部分だけは妙な違和感がありますが、そこがまた面白い。 このコラムの連載中に水野晴郎先生が亡くなっていて、『シベ超』に思い出ももちろん語られています。オーケンは『シベ超5』に出演しています。 私はこの本で紹介されている映画はほとんど観たことがありません。しかし、この本はとても楽しめました。最近は宇多丸さんや町山智浩さんの映画評やコラムに接する機会が多いのですが、たまにオーケンのこういったコラムを読むのもいいですね。この本を読むと宇多丸さんの映画の見方はかなり生真面目な感じがします。どーでもいいような映画を真剣に語るオーケンは面白いし、素敵だ。オーケンは「あとがき」で70~80年代の映画好きだと語っていて、最近の映画館には行っていないうだ。でも昔の映画の話でも充分面白いのでまた映画についての本も出して欲しいものです。 オーケンの、私は変な映画を観た!! 2
オーケンの、私は変な映画を観た!! 2