ぶら~りネット探訪

音楽、競馬、映画などについて非常にテキトーにダラダラと綴っていくブログでございますですよ。

ボーカルにエフェクト、Perfume、ZAPPなどなど

2ちゃんのタマフルのスレッドを見ていたら、YouTubeのリンクが貼られていました。そのリンクをクリックし動画を見てみたら意外に面白かったのでこの動画をネタに色々と考えてみました。 リンクの動画はスカパーで放送されている「日本文化チャンネル桜」の動画ということ、YouTubeのアップされたのは2009年の12月のようです。その年の音楽シーンを振り返るような話題でPerfumeが取り上げられていて、さらにそのモトネタみたいな感じでロジャー(ZAPP)についても取り上げられています。 動画が2分弱しかなく、この後にどういった話の展開になっているのが不明なのですが、すぎやまこういちに少しだけ似た感じの大学教授か評論家みたいな人が言っていることまとめると以下のようになります。 (1)ボーカルにエフェクトが(ボコーダー)かかっていて、誰が歌っているか分からない、歌唱力もどの程度なのか分からない、そんなPerfumeが若者に受けている (2)ネットではバーチャルアイドル(おそらくボーカロイドのことだと思う)で流行っている。 (3) Perfumeバーチャルアイドルのモトネタは80年代にアメリカでヒットしたロジャーの『I wanna be your man』(動画の中では『I wanna be with you』と言っている) (4)ロジャーは黒人で、人種を曖昧にするためにボコーダーを使った (5)ロジャーは普通に歌っても上手いのになぜボコーダーを使うのか、残念だと当時思った 細かいツッコミから言いますと、Perfumeが使っているのはオートチューンというエフェクターで本来は音程補正のためのエフェクターです。ロジャーが使っているのはトーキング・モジュレーター(以下トークボックス)。トークボックスはギター用もありますが、私はギターでトークボックスを使っている曲ほとんど知りません。ジミ・ヘンドリックスの『Crosstown Traffic』はトークボックス使っているようにも聞こえますが。 ボコーダーを使っている一番有名な曲と言えばymoの『テクノポリス』じゃないですか。ymoは『テクノポリス』よりも前に『SIMOON』でボコーダーを使っています。ちなみに歌っているのは高橋幸宏ではなくタイロン橋本。 歌唱力が分からないという指摘はある程度理解できますが、ポップミュージックやアイドルといものの歌唱力、演奏力を真剣に問題にするのはナンセンスですね。誰が歌っているか分からないというのもギミック(仕掛け)の一つと考えると、真剣に考えてもしょうがないですね。 ロジャーやZAPPに関してこの動画の人はそれほど知識がないように思われます。ロジャーがトークボックスを使っていたのは、人種を曖昧にするためでも、誰が歌っているか分からなくするためではありませ。逆に「ロジャー(ZAPP)=トークボックス」というイメージを与えることで、他のミュージシャンとの差別化を図ったのだと思います。 ここ何年か、カニエ・ウェストなどヒップホップ、R&B系のミュージシャンがオートチューンを使うのが流行っていましたが、それ以前はボーカルにエフェクターをかけるミュージシャンといったらロジャーという認識は一部にあったと思います。 私はトークボックスやシンセサイザーをほとんど使っていない初期のZAPPの曲を聞いたことがありますが、あまり、強烈な個性みたいなものは感じません。トークボックスやシンセを多用するファンクがロジャー(ZAPP)の魅力で個性だと思います。 Perfumeがオートチューンを使ったのはプロデューサーの中田ヤスタカの趣味かアイディアかよく分かりませんが、他のアイドルとは明らか差別化出来たのは確かです。 『I wanna be your man』はロジャーの最大のヒット曲ですが、トークボックスで黒人であることを曖昧にしたというのは的外れな見方だと思います。ね。第一にロジャーはこの曲をリリースする前からトークボックスを使っていて、この曲のためにトークボックスは使ったわけではありません。また、この曲のヒットの要因はロジャーの本来の魅力であるファンキーさを抑えた美しいメロディのバラードだったことだと思います。ヘビメタバンドなど本来のハードでヘビーな曲ではなくバラードでシングルのヒット曲狙うことがありますが、そんな感じですよね。エクストリームのヒット曲に『More Than Words』とい曲がありますが、ヒットの構造は同じ『I wanna be your man』と同じだと思います。 「チャンネル桜」は保守、右翼などのオピニオンや報道の番組を流すチャンネルなそうですが、保守、右翼の立場から芸能、音楽を見ると、全く別の見方や聞き方がされているというのはなかなか新鮮な発見というか驚きでした。保守、右翼の人の口からまさかロジャーの名前がでるとは思いませんでした。できればこの動画で喋っていた人の名前が知りたいし、この人が芸能、音楽について書いた本があったら読んでみたいですね。