ぶら~りネット探訪

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『春風亭昇太2 26周年記念落語会-オレまつり』を聞く

2008年に春風亭昇が26周年記念に下北沢の本多劇場で行った記念公演の模様を収録したCD、『春風亭昇太2 26周年記念落語会-オレまつり』を聞いてみました。 このCDは2枚組で落語が6席と落語の間のプレトークが収録されています。ソニーから発売されている落語ですが、1席の落語をブツ切りにはしていません。恐らく、1席の時間が短いためだと思います。 この公演で昇太は1席終わると楽屋に引っ込むということはなく、舞台上に卓袱台を置いてそこでプレトークを行っていたようです。 ライナーノーツはなぜか立川志の輔が書いています。落語のCDで他の落語家がライナーノーツを書いているのは初めて見ました。昇太の落語の登場人物はみなん「あぁーー、もぅ!」と言いながら登場すると書いているのが笑えます。ちなみに、このCDに収録されている落語の中に志の輔の名前が登場したりします。 『雑俳』を除くと他は全て新作落語です。『力士の春』はテレビでみたことがあります。ストーリーは力士になるように両親に育てられた「鷹の爪」という名前の少年が小学校で巻き起こすドタバタ喜劇。笑えますが、あっという間に終わってしまいます。もう少し、話の展開が欲しいですね。学校寄席ではバカウケだそうです。 『ストレスの海』は『力士の春』と並ぶ鉄板ネタだそうです。地方のおばちゃん達によく受ける噺だそうです。奥さんが旦那のストレスを解消しようと色々と世話を焼くのですが、逆に悲劇を招くという噺。正直これは面白くないですね。 私が面白いと思ったのは、『オヤジの王国』と『人生が二度あれば』です。『オヤジの王国』は妻や娘に虐げられているオヤジが押し入れの奥の戸から通じるオヤジの王国に行く噺。オヤジの王国のディテールの描写がいいですね。妻や息子の役者を叱るプレーで小遣いをせびる息子役がいい味出しています。このCDではよく分からないのですがおそらく最後は卓袱台をひっくり返しているようです。なんとなくウルトラQの『あけてくれ』を思い出します。『あけてくれ』は理想の世界のディテールはほとんど描かれていないのですが、この噺はオヤジの王国のディテールが描かれています。そこがこの噺の肝なんですが。 『人生が二度あれば』は老人が昔を振り返っていると盆栽の松の木の精が過去にタイムスリップの方法を教えてくれて、過去へ行ってみる噺。ありがちな設定ですが、過去に行ってやり直しても、結果は変わらないことやそこで主人公の老人が叫ぶセリフに意外にグッとくるものがあります。 そしてプレトークがもう一つのこのCDの魅力となっています。プレトークでは26年間の落語家生活が語られています。師匠である春風亭柳昇へ入門するときの話、地域寄席で新作落語をやったら、打ち上げで年寄りの客に蔑まれた話などなど。 師匠の柳昇は『雑俳』と『牛ほめ』しか教えてくれなかったそうだ。新作落語に対して世間の理解がなかったことに対する恨みを爆発させるところは申し訳ありませんが非常に笑えます。 春風亭昇太2 26周年記念落語会-オレまつり
春風亭昇太2 26周年記念落語会-オレまつり