ぶら~りネット探訪

音楽、競馬、映画などについて非常にテキトーにダラダラと綴っていくブログでございますですよ。

『日本一早い平成史』を読んだ

なんだかんだで平成も21年まで来てしまいました。そこで、『日本一早い平成史』という本を読んでみました。 島田裕巳和田秀樹森達也等などの論客が平成の宗教、教育、報道、政治、経済を語るという構成になっています。タイトルには「平成史」という言葉は入っていますが、各論客が語っていることは平成に入ってからの各分野の簡単な分析とこれからの提言や予言みたいな形になっています。正直なところ「平成史」というのにはちょっと疑問の残る内容になっています。巻末の「平成史年表」の「政治・経済」、「社会・文化」という分け方は芸が無さすぎますね。 政治については、選挙が近くなって最近やたらテレビに出てくる政治評論家の有馬晴海が語っています。ここで有馬晴海は現在の小選挙区選挙の問題点を色々とあげ、中選挙区制に戻した方がいいと言っています。政治に金の問題や政権交代などを考えた上で導入された小選挙区制ですが、政治と金の問題は置いておいて、小選挙区制が導入されて、まだ政権交代は起こっていないので、とりあえず政権交代を見てからでもいい気がします。まぁ、次の総選挙で政権交代の可能性が高いと言われていますが。 私は和田秀樹という人はやたら教育関係や自己啓発関係の本を出すので、なんとなく教育評論家の中谷彰宏かと思っていたのですが、この本を読む限りではどうもそうではないようです。和田秀樹はこの本で日本の子供の学力の低下は「ゆとり教育」が導入される前から始まっていて、公教育の質の低下や大学のAO入試などがさらに子供の学力の低下に拍車をかけていると言っています。世襲制が教育、学習意欲を殺いでいるという話も面白いですね。東大卒よりも世襲の方が偉く、尊敬を集め、大人はそんな世襲政治家に投票すると、子供は東大を目指さなくなり全体の学力も低下していくというのは大袈裟なようですが現実の話です。安倍晋三元総理や麻生太郎総理がいい例ですね。今回の選挙の注目選挙区の1つ神奈川11区はそのいい例ですね。自民党世襲関東学院卒の小泉進次郎民主党の東大卒の横粂勝仁との争いの結末は如何に。 宗教については島田裕巳が語っています。「おひとり様」という現代に適応した真如苑が信者を増やしているそうだ。現在の信者は90万人。宗教というと社会的な活動も行うイメージが強いのですが真如苑は信者同士の結びつきも緩く、社会的な活動もほとんどしていないそうです。島田裕巳はこういった宗教がこの先、増えていくのでは言っています。そしてその先には「教団を持たない宗教」が出現する可能性があり、現在の勝間和代とその読者の関係がそれに近いといっています。 森達也は報道と言うか「報道の恐怖」について語っています。メディアの「やらせ」やプロパガンダ、捏造、改竄などの恐ろしさについて語っています。一例としては日本の殺人事件の発生件数を挙げています。殺人事件の発生件数は現在よりも50年代の方が多いのですが、現代のメディアを見ているとどうしても現代の方が多く感じしまいます。裁判での厳罰化を望む声が多いというのもメディアの印象操作から来るものではないかと私は思います。ルワンダでの虐殺、イギリスのオーディション番組の「やらせ」を例に挙げながら最終的に受け手が正しいメディア・テラシーを身につけないとメディアによって人類は滅ぶのではないかと森達也は言っています。「恐怖の大王」は氷河期や隕石の衝突、宇宙人の襲来ではなくメディアというのが新鮮です。 日本一早い平成史
日本一早い平成史