井上陽水のトリビュートアルバム、『YOSUI TORIBUTE』を聞いてみました。このCDは2004年11月10日リリースされたものです。
忌野清志郎、ジェーン・バーキン、小野リサなど14組のミュージシャンが井上陽水の曲をカバーしているのですが、シングルカットされた曲や有名な曲ばかりで、選曲がもう少しどうにかならないかと思います。『断絶』とか『事件』とか『ミスコンテスト』とか『灰色の指先』とかカバーしてくれないかなと思います。
一番良いと思ったのは清志郎の『少年時代』です。アコーステックでレゲエ風のアレンジがいいですね。陽水のオリジナルは糊の効いた白いシャツを着た少年のイメージで、清志郎の歌う『少年時代』はくたびれたランニングシャツを着た少年のイメージに感じられます。いい意味で力が抜けている感じで、間奏のブルースハープも素敵です。SEで蝉の声、馬のいななき、そして蹄の音が入っているところが何とも言えません。
DOUBLEは陽水の作詞で安全地帯に提供した『ワインレッドの心』(作曲は玉置浩二)をカバーしています。この捻った選曲はいいですね。ジャズ風のアレンジがゴージャスで面白い感じです。DOUBLEはほとんど聞いたことがないのですが、R&Bの人で歌は上手いと思っていたのですが、正直それほど上手い感じはしませんでした。
一青窈の『ジェラシー』はとっても歌謡曲的な感じがします。一青窈の歌はほとんど聞いたことがないのですが、昔の歌謡曲みたいな節回しです。陽水のオリジナルはジェラシーと歌っていてもサラっとした感じてすが、一青窈の方はちょっとくどい歌い方のためかドロドロとしたものを感じます。
ジェーン・バーキンがなぜか「カナリア」を歌っています。かなりお洒落な感じで、メロディーなど一部独自の解釈で歌われていたりします。
ジェーン・バーキンはセルジュ・ゲンスブールとの結婚していたことややエルメスの「バーキン」から私はずつとフランス人と思っていました。調べてみたら、この人はイギリス人なんですね。この秋に来日するようです。
松任谷由実は『とまどうペリカン』をカバーしています。2002年の松任谷由実のトリビュートアルバム『Queen's Fellows』に陽水も参加していので、その返礼ということだと思います。無難な選曲、特に独自の解釈もあまりなく、可もなく不可もなくといった感じです。
平原綾香の『心もよう』は星勝がプロデュースしています。星勝はモップスのギタリストだった人で、『氷の世界』など70年代の陽水のアルバムをプロデュースしています。平原綾香の歌声は私はあまり好きではありません。
持田香織の『いつのまにか少女は』という選曲はちょっと意外で、出来も悪くない感じ、このアルバムの中では好きな方です。
YOSUI TRIBUTE