ぶら~りネット探訪

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安藤健二の『封印されたミッキーマウス』を読んだ

安藤健二の『封印されたミッキーマウス』を読んでみました。諸々の事情により、封印されてしまった作品について、その封印されてしまった事情について追った内容の本です。 この著者の以前『封印作品の謎』という本を出していて、本作は『封印作品の謎』をアップデートし、さらに映画や漫画と言ったものだけでなく、かつての米軍基地、公共事業についても語っています。 「NEVADAちゃんの憂鬱」は2006年に起きた佐世保小6女子児童殺害事件について扱ったものです。この話だけは厳密に言うと「封印作品」の類ではありません。佐世保小6女子児童殺害事件の加害者がネット上で勝手にキャラクター化された話です。この話は当時、事件についてネットを含めてかなり立体的に追っていないと分かりにくい話です。著者はこの話で一冊書きたかったそうですが出版社から了承してもらえなかったそうです。 私はこの本を読むまで漫画版の『オバケのQ太郎』が絶版になっていることは知りませんでした。この作品は藤子不二男の完全な合作だそうです。F氏がQ太郎を、正ちゃん氏がⒶF氏が描いていたそうです。そのため権利関係がはっきりせず絶版になってしまったそうです。しかし、この封印は解けるようです。20011年に川崎市に「藤子・F・不二雄ミュージアム」が開館するのを記念し、「藤子・F・不二雄大全集」が刊行されるそうで、その中に「オバケのQ太郎」も含まれていると毎日新聞は伝えています。 ウルトラセブンの12話『遊星より愛をこめて』については、円谷プロから流出経路と宮崎勤の入手経路についてかなり詳しく書かれています。宮崎勤は『遊星より愛をこめて』のビデオ欲しさに怪しいビデオブローカー(アダルト系やスナッフを扱う業者)に操られていたのではないかという証言を聞いたことをきっかけに再び著者は宮崎勤の入手経路をあらって行くのですが、スナッフ系のビデオを扱う業者の存在に私は非常に恐ろく、ゾッとしました。しかし、著者の調査ではそういった業者と宮崎勤接触した形跡はないようでした。 東京駅と成田空港を結ぶはずだった幻の成田新幹線の話もなかなか面白いですね。ほんの一部だけ完成した高架橋の写真なども載っています。成田新幹線の用地は成田エクスプレスや京成のスカイライナーで使われているそうで無駄にはなっていないそうです。 第2東京タワーの話も載っていますが、確か第2東京タワーは押上に建てることに決まって、なんとかスカイツリーという愛称も決まっていませんでしたけ? 「あの人は今」的な章もあり、佐川君や元NHKの磯村さんなどが取り上げられています。キャスターや女優として活躍していた石井苗子も登場しています。私の中では石井苗子小雪の顔が同じタイプに見えます。石井苗子がマスコミから消えたのと小雪が活躍し始めたのが同じ時期のような気がします。『家族輪舞曲』の椎名桜子も取り上げせれていますが、確か先週の「週刊新潮」で椎名桜子が家賃の未払いで訴えられていたという記事が載っていた気がします。 タイトルにもなっているミッキーマウスをめぐる話は、ある意味、ディズニーの著作権に対する厳しさの例として語られる都市伝説と思われがちですが、本当の話なんですね。1987年に大津市の小学校の卒業制作でプールの底にミッキーとミニーの絵を描いたら、好意的に新聞が取り上げ、それを見つけたディズニーが著作権を盾にクレームつけ絵を全部消させたという話。ディズニーはその後、卒業生をディズニーランドに招待したという記事が「週刊金曜日」に載っていたそうですが、それは都市伝説で、実際はディズニーの絵本の全集を小学校に贈ったそうです。 この本は洋泉社から出ています。洋泉社の本と言うわけではないでしょうが高橋ヨシキさんが装丁を担当しています。ミッキーやシンデレラ城のシルエットがおどろおどろしくて、とてもいい感じです。 封印されたミッキーマウス―美少女ゲームから核兵器まで抹殺された12のエピソード
封印されたミッキーマウス―美少女ゲームから核兵器まで抹殺された12のエピソード