ぶら~りネット探訪

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中島らもの『ポケットが一杯だった頃』を読んだ

中島らもの『ポケットが一杯だった頃』を読んでみました。この本は中島らもが死んだ後の2007年に出版された本です。 サブタイトルに単行本未収録原稿[エッセイ、対談集]となっています。CDで言うところのレアトラック集みたいなものですかね。本人が死んだ後にもCDや本が出続ける人と言うとジミ・ヘンドリクスが有名ですね。ジミヘンは生きているうちに出した音源よりも、死んだ後に出た音源の方が圧倒的に多いですね。(ライブ音源がほとんどですが) さて、『ポケットが一杯だった頃』ですが、単行本未収録原稿というサブタイトルから、単行本に入らなかったボツ原稿みたいなものなのかと、読む前はちょっとネガティブな想像しましたが、全くそんなことはなくいつもの中島らものエッセイ、対談で楽しみました。 「子供のころのカレー」では子供のころに食べた「喫茶・おばちゃん」の不味いカレーの思い出が語られています。普通はエッセイのネタではグルメ、美味しいものについて書かれますが、中島らもの場合は不味いものについてのネタにしたエッセイがあり、私はこの手のネタが非常に好きでした。「ネーポン」というジュースについては、最終的にはテレビなどでもネタ(「たけし・さんまの世界超偉人伝説」)されるようになっていました。 石毛直道という民族学者との対談では江戸時代の大酒飲み、大食い大会の記録のはなしが面白いですね。メシ68杯、おかず醤油2合、今坂モチ30個、せんべい200枚など、具体的な数字が出てきます。いちばんすごいのは醤油を1升8合飲んだ人と中島らもは語っています。私は落語の「野晒し」の枕に出てくる「馬鹿の番付」を思い出しました。「馬鹿の番付」で西の大関は「醤油を3升飲んだやつ」ということになっています。ちなみに東の大関は「釣りをする人」になっていました。 この本では写真がけっこう載っていて、若いときの中島らもの姿はけっこう驚きです。結婚式の写真ではちょっとふっくらした感じで、長男と奥さんと写っている写真では髪の毛が短く、おそらくサラリーマン時代に撮られたものかと思われます。 そしてこの本のもう一つの特徴はCDが付いていることです。CDにはFM大阪の『中島らもの月光通信』で放送されたラジオコントの傑作30本が入っています。1本目の落語「へろいん」は「ま~りふぁな、へ~ろいん」と落語に登場するようなモノ売りがマリファナやヘロインを売りにくるというコントで、最後はこの落語を喋っていたところを警察に踏み込まれるという落ちになっています。この噺はエッセイにも書いていて、桂米朝にやって欲しいみたいなことを書いていた記憶があります。ご存じのように後年、中島らもは本当に大麻で逮捕されています。コントは中島らも自身が演じていて、ボケた爺さんなどが非常にいい味出しています。薬局にコンドームを買い行く「薬屋さんのイジワル」はスネークマンショーの「これ何ですか?」を思い出します。 ポケットが一杯だった頃
ポケットが一杯だった頃