ぶら~りネット探訪

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『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢』を読んだ

カリフォルニア州バークレー在住、元祖「愛とエロの伝道師」こと町山智浩さんの『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢』を読んでみました。TBSラジオ『ストリーム』は終わってしまいましたが、町山さんは後番組の『小島慶子 キラ☆キラ 』の金曜日に出演しています。 この本は『週刊現代』、『サイゾー』、『TVブロス』、『クロスビート』に連載されていた、日本のメディアではなかなか取り上げられないアメリカについてのコラムをまとめたものだそうです。私はこれらの雑誌は読んでいなかったのですが、『ストリーム』の町山さんの『コラムの花道』はここ3年くらいポッドキャストで聞いていました。半分以上が『コラムの花道』で聞いた話でした。もちろん同じネタでも町山さんが話しているのを聞くのと活字で読むのは、けっこう趣が違うので、以前聞いた話でも楽しめました。単行本化するにあたって、後日談などが追加されているコラムなどもありました。 コラムは時系列ではなく、政治経済、事件、事故やセレブ音楽、そして映画などの章に分かれています。コラムは合計で100個だそうです。ある意味、ワイドショー的な視点からアメリカの現在を捉えている感じで、病んだアメリカの現状を分かりやすく語られています。日本のマスコミではあまり伝えていませんが、キリスト教原理主義の力が現在のアメリカではいかに強いかをこの本から知ることができると思います。妊娠中絶やゲイの結婚に反対しているだけでなく、進化論を否定し、聖書に書かれていることのみを信じるキリスト教原理主義者とタリバンなどのイスラム原理主義者の違いが私にはよく分からなくなりました。実は信じている神様もキリスト教イスラム教もユダヤ教も全部同じだそうです。 音楽に関するコラムではユダヤ人のミュージシャンについて書かれているコラムが気になりました。ポール・サイモンやレニー・クラヴィツがユダヤ系で、キッスのジーンシモンズ、ポール・スタンレー、ルー・リードイギー・ポップなどもユダヤ系で名前を変えているそうだ。エルビス・プレスリーも母親がユダヤ系だそうだ。アメリカではユダヤ系に対する差別が残っているのでしょうか?映画に関しては資本から監督、俳優は特にユダヤ系であることを隠したりはしませんが。 音楽に関してはアメリカ版『放送禁止歌』とも言える『タブー・チューズ』という本についての話も面白いですね。この本で一番多く登場するのはジョン・レノンだそうです。しかし、白人が一番恐れたのは「リズム」、「シンコペーション」と言った黒人音楽の核になっている部分のようです。白人的(キリスト教的)にはメロディは理知的で神に近く、リズムは人を土人に退行させる麻薬だそうです。現在のアメリカのチャートを見るとR&B、ヒップ・ホップの曲ばかりという感じですね。 アメリカで日本がどのように思われているかについても量は少し少なめですが面白かったですね。『クレヨンしんちゃん』がアメリカでは大人向けに放送されていたり(元々原作の漫画は大人向けですが)、フードファイター小林尊が『KOBAYASHI』というアニメになっていたという話は初めて知りました。 けっこうエグい事件や救いのない事件などが取り上げられていて救いのような感じもするのですが最後の「American Dreamers」ではちょっといい話、グッとくる話で締めくくっているのが素晴らしい構成だと思いました。最後のコラムは映画『ヤング@ハート』についての話になっています。 キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢
キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢