ぶら~りネット探訪

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村上隆の「芸術起業論」を読んでみる

村上隆の「芸術起業論」を読んでみました。 村上隆フィギュア「マイ・ロンサム・カウボーイ」が5月14(日本時間15日)、サザビーズのニューヨークでのオークションで約16億円で落札されて話題になっていたのでこの本を読んでみました。村上隆の存在や作品は以前から知っていましたが、この本のタイトルの"起業論"と言う部分が非常に気になりました。また、オタク的な文化を搾取して、芸術として欧米のアートシーンで売りさばく村上隆は日本の漫画やアニメ、オタク関係者からはあまりいいイメージで見られていないようで、そんな村上隆の書く文章とはどんなものなのか?そんな感じで読んでみました。 凄く分かりやすく言うと村上隆がこの本で言っているのは「芸術で金を稼いで何が悪い」ということだと思うのですよ。そのためのノウ・ハウについても当然書かれています。欧米の現代芸術のルールや文脈を研究し、そのルールや文脈に乗って自分の作品を上手くプレゼンすれば日本人の芸術家も欧米のアートシーンでビジネスとして成功できる可能性が充分あるというこです。芸術家が金儲けについて正面切って語ることをスキャンダルととるか画期的ととるかですね。なんとなく私は金儲けを全面的に肯定する部分はホリエモン村上世彰を思い出します。そう言えば六本木ヒルズのオープニングのデザインは村上隆がやってましたね。 世界のアートシーンに切り込んでいく方法論の話は戦略的で面白いのてすが、芸術家というよりも企業家的なイメージがやはり出てきます。実際に若手の芸術家のマネージメントも行っているそうです。プレイングマネージャーと言う感じですが、なんとなく私にはセックスピストルズのマネージャーだったマルコム・マクラーレンやプロレスの極悪マネージャー的なイメージがします。作品をどうプレゼンで価値あるものかと顧客に示すと言うのはある意味、詐欺師的なものを感じますし、作品や芸術家を発掘して売り出すことは山師的ですね。 この本は面白いし、村上隆の存在も面白いと思うのですが、私には村上隆の作品はどうもピンとこないですね。カニエ・ウエストの「グラジュエイション」のジャケットはいけませんね。どうにもクマがかわいくないです。 芸術起業論
芸術起業論