ぶら~りネット探訪

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吾妻ひでおの「失踪日記」を読んだ

吾妻ひでおの「失踪日記」を読んでみました。 私は吾妻ひでおの漫画を読むのは今回が初めてで、ロリコン漫画、SF不条理漫画の元祖ということは知っていましたが単行本というかたちで読むのは初めてでした。 この漫画は吾妻ひでおの失踪体験、ホームレス体験、アル中体験と強制入院を綴った漫画です。表紙の「全部実話です。(笑い)」のとおり、ノンフィクションなのですが吾妻ひでおの例の丸っこいキャラクターの絵なので悲壮感みたいなものは読んでいるときは感じません。しかし、一旦、本を閉じて自分の頭の中で漫画で描かれていたことを反芻するように思い返してみると、ホームレス体験のリアルさがジワジワ感じられました。吾妻ひでおがなぜ失踪するまでになったかは吾妻ひでおが自分の漫画家生活を振り返る部分を読むとなんとなく分かるような気がします。 失踪の部分よりも激しいのはアル中時代の部分だと私は感じました。(失踪中にガスの配管工になっている部分は素直に笑えます)連続飲酒が止まらなくなり、幻覚が見え始め、幻覚を見ないようにするためにまた酒を飲むと言う、連続飲酒のスパイラルが凄まじいですな。なにかで同じような話を読んだ記憶があると思ったのですが、中島らもの酒に関する一連の本ですね。まぁ、「今夜、すべてのバーで」などが一番近いと思います。「失踪日記」のなかで中島らもについて欄外でコメントしてました。 こういったかたちのノンフィクションの漫画というのはあまりないと思うのですが、私はつげ義春の「無能の人」を思い出しました。「無能の人」は読んだことはありますが、あの漫画がどの程度がノンフィクションなのかは詳しくは分かりませんが、「失踪日記」と比較すると「無能の人は」叙情的で物語的な感じがします。 失踪日記
失踪日記