ぶら~りネット探訪

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『ブラックパンサー』を見た

ライアン・クーグラー監督、チャドウィック・ボーズマン主演の『ブラックパンサー』を見ました。

この映画の予告はかなり前から見ていてマーベルらしい映画なので自分の趣味ではないと思っていました。TBSラジオ『たまむすび』の町山智浩の『アメリカ流れ者』を聞き直して単純なアメコミヒーロー映画ではないようなので見ることにしました。

この映画を紹介する中で「アフロ・フューチャリズム」という言葉が出てきて、「アフロ・フューチャリズム」を体現する音楽とビジュアル・イメージがP-FUNKというところも興味がわきました。

ブラックパンサーであるティ・チャラの移動手段がUFOみたいな乗り物なので、なるほどパーラメントの『マザーシップ・コネクション』でした。ワカンダの国内でモノレールみたいな鉄道が走っているのはJB’sの『Hustle with Speed』のジャケットを思い出しました。

中盤くらいから悪役であるエリック・キルモンガーにぐっと感情移入して見てしまいました。キルモンガーは90年代に治安の悪いオークランドで黒人への差別の中で育ったと思われるキャラクターでワカンダの希少鉱石ヴィブラニウムを兵器として使い、武力による黒人の世界制服をたくらみます。キルモンガーによる武力による黒人の解放を見てみた気分になりました。よく考えると、それはある意味『猿の惑星・征服』なのかもしれません。

この映画の中では黒人への差別は直接的には描かれていません。黒人への差別と暴力を描いた『デトロイト』を見た後で『ブラックパンサー』を見たので孤立主義で一国平和主義を貫いているワカンダとそれを束ねているブラックパンサー/ティ・チャラに疑問を感じたのかもしれません。

キルモンガーの少年時代のシーンで部屋にパブリック・エナミー『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』のポスターとブラックパンサー党のリーダーであるヒューイ・ニュートンの写真がありました。

ティ・チャラが玉座に座る所はヒューイ・ニュートンの写真からインスパイアされているようです。ヒューイ・ニュートンの写真はファンカデリックの『Uncle Jam Wants You』のジャケットの元ネタでもあることに気が付きました。

上映時間が134分とちょっと長めで話の展開がもたついているように感じました。夜のでのカーチェイスとクライマックスの戦闘シーンはもっとコンパクトでタイトにして欲しかった。そして、もっとキルモンガーの過去などを掘り下げ描いてキャラクターとしての厚みを持たせて欲しかった。しかし、ラスト近くのティ・チャラの国連での孤立主義、一国平和主義を捨ててワカンダの豊かさを世界に共有していくという演説が非常に感動的でした。これでキルモンガーも成仏できるのではと思えました。

映画公開記念 BLACK PANTHER ブラックパンサー - Stance / ポスター 【公式 / オフィシャル】