ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、ライアン・ゴズリング主演の『ブレードランナー 2049』を見ました。
2D字幕版を見てからIMAX版を見ました。最初に「SONY」の文字が大写しになるのは違和感がありました。それにしても上映時間163分は長いですね。2回とも前半で何度か寝てしまいました。
ライアン・ゴズリングが演じるロボット刑事Kは旧型レプリカントを処分する仕事をしていた。しかし、Kは古き良きジャズを愛していて自分のジャズ・クラブを持つことを夢見ていた。ある朝、渋滞の中Kは女優志願のジョイと出会い運命の歯車が狂っていくというお話。半分くらい嘘です。
ジョイ役のアナ・デ・アルマスという女優が凄く魅力的でした、エマ・ストーンよりも個人的には好みです。しかし、日本版のウキペディアの写真が全然別人のようで驚きました。ジョイとマリエットの「愛の二人羽織」がこの映画の最大の見せ場に私には思えました。
ラヴ役のシルヴィア・フークスの顔はどこかで見たことがあるような感じで見ていたら、画家の奈良美智が描く険しい表情の少女の絵に似ていることに気が付きました。ラヴは各格闘シーン、特に蹴りを放つシーンがとても良かったです。
ハリソン・フォードはかなりヨレヨレだけどガンバっていました。犬を連れていてエルビスの『好きにならずにいられない』が好きだと言ったのは意外でした。ウォレスの台詞から察するにデッカードはレイチェルとの出会いで『恋にしびれて』、『好きにならずにいられない』となったのでしょう。
Kがデッカードに「彼女の名前を言ってみろ」と迫るシーンはデッカードの代わりに「レイチェル!」と叫びたい気分になりました。『ブレードランナー 2049』にも応援上映があればいいのに。できればルトガー・ハウアーやダリル・ハンナのことも思い出して欲しかったですね。
レプリカント解放運動の指導者であるフレイザがKに対して言った「大義のために死ぬということこそが、最も人間らしいこと」という台詞も心に刺さりました。この手の台詞は大昔から為政者やカルトの親玉が無知な若者を戦争やテロリズムに駆り立てるときに使われる常套句ですよね。こんなセリフを吐くフレイザもこんなセリフに踊らされてしまうKもとても胡散臭くて人間臭い人物に思えました。
予告を見た時に画面が赤かかったので、なんだか『イノセンス』みたいと思っていたら犬が出てきたりラヴの格闘シーンが『攻殻機動隊』の草薙素子みたいだったり、なんだか『ブレードランナー』に影響された『攻殻機動隊』に『ブレードランナー 2049』が影響されているように見えました。街に巨大なホログラムが投影されるシーンはハリウッド版『GHOST IN THE SHELL』が先にやっていました。
YouTubeで公開されていた『ブレードランナー ブラックアウト2022』も見てみました。なんだか『アニマトリックス』の『セカンド・ルネッサンス パート1・パート2』に似たような感じでした。