ぶら~りネット探訪

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『Dr.パルナサスの鏡』を見た

テリー・ギリアム監督作品、『Dr.パルナサスの鏡』を見ました。

私にとってはテリー・ギリアム監督作という事よりも、ヒース・レジャーが最後に出演した映画という所に目が向きました。テリー・ギリアムの映画を見るのはこれが初めてでした。

この映画の製作途中にヒース・レジャーが亡くなってしまったため、トニー役はヒース・レジャージョニー・デップジュード・ロウコリン・ファレルの4人が演じています。この映画の最大の見どころはこの4人1役という変則的なキャスティングですな。

私が外人の顔の判別がつかないためか、映画を見ている間はコリン・ファレル以外の3人はほとんど区別がつきませんでした。見終わった後に改めてチラシの写真を見直してみると3人の区別はつきました。

頭の回転が早く、口も上手くエキセントリックなトニーのキャラクターはどうしても『ダーク・ナイト』のジョーカーを思い出してしまいました。ジョニー・デップもこの手のキャラクターを演じることが多い気がします。

私はヒース・レジャーの出ている映画は『ダーク・ナイト』と『ブロークバック・マウンテン』とこの映画しか見ていません。やはりジョーカーの印象が強いのですが、なにをやってもヒース・レジャーというタイプの役者ではないということは少なくても分かりました。この映画の鏡の世界でジェームス・ディーンやダイアナのゴンドラが出てくる所でトニーが彼等は永遠に歳をとらないと説明していたところが非常に引っかかりました。

物語の主役はあくまでもパルナサス博士で、パルナサス博士と悪魔との賭けを巡る話を中心に話は進んでいきます。しかし、トニーやパルナサス博士の娘のヴァレンティナや小人のパーシーなどのキャラも強烈なのでパルナサス博士の影の薄さが気になりました。悪魔のMr.ニックを演じていたのが『ダウンタウン・トレイン』のトム・ウェイツというのを後で知って驚きました。

物語はダークでブラックなファンタジーという感じで、鏡の中の世界が見せ場だと思うのですが、私には見世物小屋が馬車になっていて、現代のロンドンを馬車が走っているシーンが印象に残りました。物語の展開がゆっくりで、メリハリがひまひとつな感じなので見ていてちょっと退屈してしまう所がいくつかあったというのが正直なところです。でもトニーが活躍するシーンやヴァレンティナ役のリリー・コールの見ているだけでもけっこう楽しめる映画でした。

正直な所、この映画の物語の意図やメッセージやテーマみたいなものがよく分かりませんでした。幻想的な映像美を楽しめば良いと言うことなんでしょうか?なんとなく、非常にお金や手間がかかったATG映画という感じもしました。

ブロマイド写真★ヒース・レジャー『Dr.パルナサスの鏡』/鏡と