キリンジの新しいアルバム『BUOYANCY』を聞いてみました。
キリンジのオリジナルアルバムはとりあえず全部聞いていますが、アルバムがリリースされて、あまり時間を置かずに聞いたのは今回が初めてです。初回特典の手拭いも貰いました。実はキリンジのアルバムを買うのも今回が初めてです。
緑が鮮やかなアルバムジャケットのデザインはスティーリー・ダンの『Two Against Nature』を思い出しました。音の感じは全く『Two Against Nature』には似ていません。ウキペディアのキリンジのページには影響「スティーリー・ダン」と書いてありますが、初期の1~2枚目の頃にはスティーリー・ダンの影響は感じましたが、最近のキリンジにはあまりスティーリー・ダンの影響は感じません。
最初に全曲通して聞いたみたときは、ちょっと地味な感じに聞こえました。『都市鉱山』以外は正直、ピント来ませんでした。傑作とは思いませんが、何度か聞くうちに、耳に馴染んでいく感じはします。1曲目の『夏の光』はキリンジにしては珍しくストレートに爽やかな曲で面食らいました。
何といってもこのアルバムで私が好きなのは『都市鉱山』ですね。こんなタイトルや歌詞はキリンジ以外には作れませんね。堀込高樹のボーカルの妖しさもたまりません。
今月の『ミュージックマガジン』キリンジ特集で、この曲はトーキング・ヘッズみたいな雰囲気があると書かれていましたが、確かに堀込高樹(兄)のボーカルはデヴィッド・バーンみたいな感じがしますね。私には鈴木慶一みたいな感じにも聞こえます。後半のレアメタルの名前を連呼するところなんか特に。堀込高樹のギターも素敵です。
余談ですが『ゴジラ対ヘドラ』の挿入歌に『返せ!太陽を』という曲がありまして、その曲の歌い出しは「水銀、コバルト、カドミュウム」という凄い歌詞でした。
『温泉街のエトランジェ』もいいですね。のどかと言うかノンキな感じがたまりません。サウンドも歌詞も温泉に浸かってダラっと弛緩している感じにさせてくれます。後半の歌詞がニヤリッとさせるころもいいですね。特典の手拭いはこの曲のイメージからなんですね。
ユルイ感じの『温泉街のエトランジェ』からシャキッとした感じの『ホライゾン!ホライゾン!』への流れもなかなかいいですね。
このアルバムのベースのほとんどは沖山優司が弾いています。沖山優司はジューシィ・フルーツや近田春夫のビブラストーンでベースを弾いていた人です。堀込泰行のソロプロジェクト「馬の骨」でもベースを弾いていました。越智静香やPerfumeがカバーした『ジェニーはご機嫌ななめ』は沖山優司が作詞をしています。
BUOYANCY