ぶら~りネット探訪

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佐野眞一の「人を覗にいく」を読んだ

佐野眞一の「人を覗にいく」を読んでみました。 この本は雑誌「AERA」に連載されていた人物論「現代の肖像」を中心にをまとめた本です。 最近、「御巣鷹山」という映画のポスターを町で見て、そのポスターの異様さがなんとなくに印象に残り、調べてみたら渡辺文樹という人が作っている自主映画のポスターで、佐野眞一の「人を覗にいく」に渡辺文樹のことが書かれてということを知り、「人を覗にいく」を読んでみました。 この本では「ザザンボ」の福島での上映会までの様子を中心に渡辺文樹について書かれています。私は渡辺文樹の映画は見たことはありませんが、「ゆきゆきて、神軍」の奥崎謙三を思い出しました。奥崎謙三は自分で映画を撮ることはしていませんでしたが、自らすすんでトラブルを起こし、そのトラブルを糧に活動を続けていく姿勢は似ているような気がしました。渡辺文樹の奥さんが渡辺文樹の映画を好きではなく「祐ちゃんの『嵐を呼ぶ男』みたいなの映画を作ればいいのに。まぁ、出来たものはしょうがない。上映できるように協力していくつもりです」とい語る部分がとて味わいがあります。 この本に出でくる人たちはほとんどが団塊の世代以上の人たちばかりで、幼少期の貧乏話が頻繁に出てきます。私がその中でも非常に印象深かったのは村西とおるの子供のころの話で、弁当のオカズにコオロギの佃煮が入っていたとい話です。イナゴの佃煮は聞いたことがありますがコオロギは初めて聞きました。 この本では連載当時は存命で活躍されていた人でも、今は亡くなってしまった人も何人かいます。城南電機の宮路社長もその一人ですが、城南電機自体も宮路社長が亡くなられてから何年もしないうちに店をたたんでしまいましたね。 逆こ鈴木敏文氏は現在、セブン&アイ・ホールディングスの会長になっています。私が鈴木敏文氏とセブンイレブンを扱った章で驚いてのはこのルポが書かれた1988年にすでに、コンビニのフランチャイズ制の問題点が指摘されていたことです。 作家の出久根達郎さんについて私の中では読売新聞の人生相談の「人生案内」の回答者という認識しかありませんでした。この本を読んで出久根達郎さんの経歴を知り「人生案内」で頓智の利いたユーモア溢れる回答ができるのか少しだけ分かったような気がしました。 人を覗にいく (ちくま文庫)
人を覗にいく (ちくま文庫)