「宮崎駿の世界―クリエイターズファイル」を読んでみました。
この本は2005年の1月に出版された本で、「ハウルの動く城」の公開の後に出版された本になります。宮崎駿とジブリ作品について色々な人が語っていますが、私はこの本に出てくる人で知っているのはジブリのプロデュサーの鈴木敏夫、石井克人、押井守、切通理作、山本直樹くらいですね。山本直樹がジブリ、宮崎駿ついて語っているのには驚きました。
「宮崎駿の世界」というタイトルの本ですが、宮崎駿のインタビューや宮崎駿が書いた文章は全くありません。宮崎駿の周辺の人(鈴木敏夫、元ジブリのスタッフの人たち)は出できます。私は押井守と上野俊哉の対談が一番面白く感じました。この対談のタイトルは「宮崎駿の功罪」となっていますが、押井守が宮崎駿のジブリの中での振舞いや性癖を暴露している感じになっています。ジブリの中は学校や道場のようで、宮崎駿はスターリニスト(遠藤ミチロウじゃないよ)という話や、酔っ払った宮崎駿が「12才の女の子と恋愛してないが悪い」と叫んでいた話は、薄々感じていたことではありますが改めて活字になると強烈ですね。ついでと言ってはなんですが「ハウルの動く城」の監督交代劇の内幕も詳しく書いて欲しかった気もします。
鈴木敏夫と石井克人の対談では宮崎駿とジブリの具体的な映画作りが語られていて、この対談もかなり面白いと思いました。よく宮崎駿はきっちりとした脚本を書かないと言われてますが、それは本当らしく、脚本の代わり絵コンテを描くそうだ。しかし、全体的な話の流れは最初から決めているわけではないようです。プロデュサーの鈴木敏夫が話の流れについては宮崎駿を誘導してみたりすることもあるようで、そこもなかなか面白く感じました。
アニメの絵などは全くなく、その代わりに鈴木敏夫や押井守の写真があったりする、地味でちよっと不思議な本です。
宮崎駿の世界―クリエイターズファイル