ぶら~りネット探訪

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『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』を見た

ジョー・ライト監督、ゲイリー・オールドマン主演の『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』を見ました。

第90回アカデミー賞ゲイリー・オールドマンは主演男優賞、辻一弘はメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しています。

ゲイリー・オールドマンは『シド&ナンシー』セックスピストルズシド・ヴィシャスを演じて脚光を浴びた俳優で、若いときはチンピラみたいな悪役をやっていたイメージがあります。『トゥルー・ロマンス』でパトリシア・アークエットのヒモの役が非常に印象に残っています。最近は『ダークナイト』のゴードン警部ですね。パンクロッカー、チンピラから警察官そしてイギリス近代史を代表する政治家を演じるまでになるというのが面白いですね。ゲイリー・オールドマンの自伝のサブタイトルは『シド・ヴィシャスからチャーチルまで』になりそうな気がします。

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ですが、チェンバレンがイギリス首相を辞任しチャーチルが首相になるところからダンケルクの撤退作戦が成功し、有名な下院での演説で終わります。第二次大戦はこの後、5年続きます。正直なところ「俺たちの戦いはこれからだ!」といったところで終わりになります。

クリストファー・ノーランの『ダンケルク』はダンケルクの撤退作戦の現場を描いているのに対してこの映画はダンケルクの撤退作戦を立案して実行させる側を描いています。議会、首相官邸チャーチルの私邸、会議室などのシーンがほとんどなので画面は非常に地味です。しかし、チャーチルの秘書というかタイピストのエリザベス・レイトン役をリリー・ジェームズが演じていたのが救いでした。リリー・ジェームズは『ベイビー・ドライバー』とは全く雰囲気が違っていたので最初はリリー・ジェームズとは気が付きませんでした。『ベイビー・ドライバー』のデボラよりもレイトンの方が好みです。

英国王のスピーチ』という映画がありましたがこの映画は『英国首相のスピーチ』と言った感じの映画です。ジョージ6世も出てきて、追い詰められて自信を失っているチャーチルに助言を与えるという非常に重要な役割を担っていました。実は一番偉いのはジョージ6世何じゃないのかとも思えました。

脚色なんだろうと思いますが、チャーチルが地下鉄に一人で乗って市井の人々声に耳を傾けるというエピソードはちょっとどうかと思いました。あと下院での演説が絶叫調だったのも安易な演出に思えました。実際はもっと淡々しています。ジョー・ライトよりもエドガー・ライトに監督してもらいったかった。

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 (角川文庫)